【NEWSルーペ】満員電車よさらば「船通勤」でゆったり 五輪にらみ社会実験
2019.8.13 11:00プレミアム
日本橋から晴海方面に向かう船=7月末、東京都中央区
朝の通勤電車はつらい。猛暑に差し掛かり、汗だくの乗客と触れ合う満員電車は地獄だ。涼しげな川辺を望みながら、ゆったりと船で会社に行けたら-。そんな東京都の社会実験を体験してみた。交通混雑緩和は、来年の東京五輪・パラリンピックでも喫緊の課題。船での通勤・通学が日常の風景になる日は来るのだろうか。(松崎翼)
早朝の曇り空。雨は大丈夫かなと一抹の不安を抱えながら、船が発着する東京・日本橋へ向かった。屋根のない船。雨が降った場合は、ポンチョを貸してくれる。もちろん屋根付きの船もあり、コンセントなども完備されているという。
東京都の社会実験は7月24日から8月2日の平日、日本橋から晴海地区を船で結ぶもの。午前7時半から9時まで15分間隔で運航する。予約が必要だが実験のため無料だ。
この日、記者は事前に予約した約30人の乗客とともに船に乗り込んだ。「ボー」という汽笛とともにゆっくりと動き出す。川幅の狭い首都高速の下を、しばらく航行する。午前9時前でちょっと遅かったためか、乗客は高齢者が多く、通勤とみられる人は5人ほどだった。係員によると、もっと早い時間帯だとサラリーマンの割合が高いらしい。
10分ほどで隅田川に入ると、一気に視界が開けた。水は濁っているが、吹き抜ける風が心地いい。両岸に見えるのは、超高層マンションやビル群といった東京ならではの光景だが、眺めも良く、自然と気分も高揚する。
特徴豊かな橋の下をくぐるのも面白い。思わず身をかがめてしまうほど水面との距離が近い橋もあり、「ぶつかりそうだ。大丈夫かな」と冗談めかす乗客も。出発から約25分。大規模再開発事業地区「晴海アイランド トリトンスクエア」近くの朝潮運河船着場に到着した。
同区間を地下鉄で移動した場合は約20分。船では通勤時間の短縮は望めない。しかし乗り換えることなく座りながらゆったりとした時間を過ごせるのは大きなメリットだ。航路は潮位の変化などで、一部変更されることもあるが、所要時間はほとんど変わらないという。
航行中に揺れを感じることもほとんどない。船酔いしやすい記者が立ち上がって写真撮影などをしていても気分が悪くなることはなかった。満員電車が何よりも嫌いな自分にとって、とても魅力的な旅だ。手頃な料金であればぜひ利用したい。
実験に参加した中央区の会社員、石川治則さん(42)は「風が強くて気持ちいいので思ったよりも快適だった」と笑顔。「電車と時間はほとんど変わらないし、本格的な運用が始まれば利用してみたい」と話した。
都都市整備局交通プロジェクト担当課長の池田中(あたる)さんによると、日本橋はオフィス街、朝潮運河船着場がある晴海付近はマンションが多く需要が見込めることから航路を決めたという。
池田さんは「運航頻度や料金設定などについてのアンケート結果を検証して課題を見つけ、五輪期間中や大会後の本格運航に向けて検討を進めていきたい」と語った。(随時掲載)

日本橋船着場から乗船する通勤者ら=7月25日、東京都中央区(松崎翼撮影)

日本橋から晴海方面に向かう船=7月25日、東京都中央区(松崎翼撮影)

屋根付きの船の座席。コンセントも完備されている=7月23日、東京都中央区(松崎翼撮影)

日本橋から晴海方面に向かう船。さまざまな橋の下を通る=7月25日、東京都中央区(松崎翼撮影)

日本橋から晴海方面に向かう船=7月25日、東京都中央区(松崎翼撮影)
https://www.sankei.com/premium/news/190813/prm1908130007-n1.html
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日常の中に優雅な船旅(?)。良いねぇ。
( ´・д・)