JR東海支援の米リニア、着工手続き前進 新政権も追い風
2021年2月9日 17:00
JR東海が支援し、米主要都市をリニア技術で結ぶ「北東回廊プロジェクト」が前進した。米連邦鉄道局(FRA)が2021年1月、環境影響評価書の準備書(草案)を公開した。22年初めにも最終的な評価書をまとめる。鉄道好きで知られるバイデン米大統領の就任も追い風とみられ、必要な手続きや資金、地元の合意を得られれば、30年ごろの開業が見えてくる。

JR東海が推進するリニア中央新幹線の車両(山梨県内)
北東回廊計画はリニア技術を使い、ワシントン―ボルティモア(約64㌔㍍)を15分で結ぶ。最高時速は約500キロに達する。7割の区間で地下を通り、空港の1駅を途中駅とする。最終的にはワシントンから約360キロ先のニューヨークまで延伸し、60分で両都市をつなぐ構想だ。
事業主体は米企業のボルティモア・ワシントン高速鉄道(BWRR)で、JR東海は技術支援の形で携わる。27年以降に開業し、東京(品川)―名古屋を40分で走行するリニア中央新幹線のノウハウを提供し、日本の鉄道技術の向上や協力メーカーのコスト削減につなげたい考えだ。
15年にはメリーランド州知事や当時の米運輸長官が相次いで山梨県にあるJR東海のリニア実験施設を視察した。ただし近年は一部の地域住民から工事への影響を懸念する声や、新型コロナウイルス禍が足かせとなり、実現に向けた手続きが停滞していた。
ここにきて前進したのは「FRAが米政権の交代をきっかけに、議論を活性化させたかったのでは」(鉄道関係者)との声がある。1月に米大統領に就任したジョー・バイデン氏は「アムトラック・ジョー」との愛称があるほど、鉄道と縁が深いからだ。
バイデン氏は上院議員時代、30年以上にわたり、ボルティモアの北東にあるウィルミントンの自宅からワシントンまでアムトラックで通勤していたという。財務体質が厳しいアムトラックの支援に尽くしてきたほか、鉄道が自動車や旅客機に比べ環境負荷が小さい点を評価してきた経緯もある。公共投資にも力を入れようとしている。
世界的に広がる脱炭素の流れも追い風だ。BWRRはワシントン―ボルティモアのリニアについて、距離あたりのエネルギー使用量の減少で「温暖化ガスを200万トン以上削減する」と強調する。日本で言えば一般家庭70万世帯の年間二酸化炭素(CO2)排出量に相当する。
BWRRの最高経営責任者(CEO)、ウェイン・ロジャース氏は環境影響評価書の草案公開を「重要なマイルストーン(節目)に到達した」と評価する。今後は所管官庁のFRAが4月まで評価書の意見を募った後、最終的な評価書と安全基準に関わる書類を作成する。並行してBWRRが資金調達や用地確保、地元との合意形成に努め、書類が完成すれば着工段階に移る。書類の完成に2年前後、工期は7年ほどを見込む。
JR東海は新幹線技術を使い、米南部テキサス州の主要都市ダラス―ヒューストン間(約385キロ)を1時間半ほどでつなぐ計画の技術支援もしている。同計画は21年にも着工に入る見通しだ。同社が力を入れる高速鉄道システムの海外展開は、着実に前進しつつある。
記事より抜粋
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD024TL0S1A200C2000000/?unlock=1
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テキサス新幹線ばかり話題になってましたけど、バイデン政権になることで東海岸リニアが現実化しそうになるとは思いませんでした。
リニアの輸出が現実化すると、他国には無い強力なインフラ武器を日本は持てますね。
ハイパーチューブはどうしたん?
あれは元々実現しても大量輸送じゃないですからねぇ。