県営 松本空港(松本市)発着の3路線について、日本航空は14日、来年6月以降の早い時期に廃止し、同空港から撤退する意向を県に伝えた。
日本航空グループの
日本エアコミューターが運航する大阪、福岡、札幌線が廃止されると、同空港発着の定期便は なくなるため、県や松本市などは強く反発している。
廃止の方針は、日本航空事業計画部の大貫哲也部長が14日、県庁を訪れ、望月孝光企画部長に伝えた。
路線廃止は半年前に国に届け出る必要があるため、同社は今年11月末までに廃止方針を正式決定すると説明。理由として、3路線がすべて赤字であることを挙げた。 県側は、札幌線の搭乗率が今年4~9月の平均で75%と高いことを示し、「赤字」について具体的に説明するよう求めたが、回答は なかったという。同社側は、前原国土交通相直轄の「JAL再生タスクフォース」が撤退方針を了承していることも明らかにした。
同社は2007年1月、ジェット機の引退を理由に札幌線廃止を表明。同年2月に、県と同社は〈1〉札幌線を週4往復、福岡線を週3往復に減らし、札幌線を存続させる
〈2〉2010年の羽田空港再拡張の際に、両線を毎日運航に戻すことを検討する――ことで合意した。14日の会談で、同社側は県に「合意事項は重く、よく話し合いたい」と伝えた。
松本空港撤退の方針は今年9月に報道されたが、同社は正式な表明を控えていた。14日、記者会見した
県交通政策課の小林利弘課長は「正式な方針が示されたので、存続に向けた活動を始める」と語った。15日には、村井知事が同社本社を訪れ、路線存続を要請する。
日本航空が松本空港からの撤退方針を県に伝えたことを受け、
菅谷昭・松本市長は「地域経済や観光に与える影響は多大。県営松本空港は日本航空のみの運航で、代替もない。市としては到底承服できない」とのコメントを出した。
14日夕、県からのファクスで撤退を知った
松本商工会議所の井上保会頭は
「ショック。不採算路線はあるが、ここ半年から1年の不況の影響で、その成績を取り上げられても困る」と、怒りを隠さなかった。9月に松本空港からの撤退方針が報じられて以来、同商議所は、存続を求めるための会議を数回開いてきた。今後は、「地元の熱意を分かってもらえるよう、早急に陳情を出す」という。
一方、
松本青年会議所の上條洋理事長(39)は「言葉を失った。色々要望に行ったのに、僕らの意見は全く取り上げられなかったと感じる。あらゆる手を使って空港を守っていく」と憤った。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20091014-OYT8T01246.htm