皆さん、ご無沙汰しております。久しぶりに音楽スレをupします。
私は、このタイトルを目にすると、ピアノの「タン、タッタ、タン、タッタ、タン、タッタ、タッタ、タッタ、タン・・・」のリズミカルな音色が再び耳元によみがえってきます。
これは、ブロードウェイの大ヒットミュージカル『A Chorus Line』のメインテーマ「One」の出だしの部分です。今回は「Dance: Ten; Looks: Three」のナンバーをご紹介したいと思います。
『A Chorus Line』は私の最も好きなミュージカルの1つで、1975年から1990年までロングランし、1976年にはトニー賞(※)も獲得しています。
※演劇とミュージカルの舞台版アカデミー賞と言えるもの。
ストーリーはご存知の方もいると思いますが、簡単にご紹介します。
舞台は、ニューヨーク・ブロードウェイのオーディション会場です。若者たちは、コーラスダンサーの少ない募集枠に何とか入り込もうと必死です。
彼らを審査する演出家は、歌や踊りだけでなく、人間性まで深く知ろうとします。演出家から、なぜダンサーを目指すのかといった問いに、若いダンサーたちは、孤独や不安、悩みをストレートにぶつけ、自分をよく知ってもらおうと努力します。
私たちは、彼らの誰もがユニークで個性的であることを知ります。しかし、悲しいかな、最後に審査結果が発表されると、舞台は勝ち残った者と、敗れ去った者に分かれてエンディングを迎えます。
このミュージカルはショービジネスの残酷な面を浮き彫りにしています。
No1(主役)をめざす誰もがOnly1であるが、ショービジネスの世界では、両者はコーラスラインという形で線引きされる、つまり、勝敗が運命づけられてしまう、ということです。
観客である私たちは、バックコーラスの1人ひとりを気に留めることは、まずありません。私たちの目は、どうしても主役に向きがちです。しかし、バックで踊っている人たちが決して没個性ではないことを、このミュージカルは教えてくれます。そして、バックの人たちを従えてショービジネスが成り立っているということも、わからせてくれるのでした。このミュージカルのテーマ「One」で言いたかったことは、NO1やOnly1とは何かということを示したかったのではないか、と私は思います。
「Dance: Ten; Looks: Three」は、容姿に自信のない女性ダンサーが整形して、その姿をクラスのみんなに、ユーモアたっぷりに自慢するシーンの曲です。演技と歌詞が笑えるので取り上げました。訳詞は自分で付けましたので、間違っていたら、ご容赦ください。歌詞を頭に入れてから、youtubeを見た方が面白いと思います。
私はこのミュージカルに深い思い出が2つあります。
1つは、大学在学時代の英語の授業に、これが教材として使われたことでした。講師はアメリカ人で、講師とのやり取りはすべて英語でした。授業の内容は、ミュージカルナンバーを聴き、講師に英語で歌詞と情景を説明するというものでした。教材は楽しそうなのですが、自分以外、皆が何を言っているのか、ほとんどわからなかったのがつらかった。それでも、この授業のおかげで、
improvisation=即興演技
pray=祈る(講師が「play遊ぶ」ではない、とわざわざ説明してくれた)、
bullshit=・・・(この単語は下品なので、知りたい人は辞書を引いてください)。
という単語を覚えたことが成果でした。これらはいずれも、「Nothing」というナンバーから学んだものです。このナンバーの歌詞も大変面白く、‘落語’のような構成になっています(最後にオチがある)。興味ある人は以下のサイトに歌詞がありますので、参照してみてください。
http://www.lyricskeeper.com/a_chorus_line_soundtrack-lyrics/62677-nothing-lyrics.htm
もう1つは、このミュージカルを本場ブロードウエイで観たことです(もちろん、上記の授業の影響によるものです)。このとき私は、時差ボケに苦しんでいて、余り記憶がないのですが、それでもダンサーが、自分がgayであることを告白したシーンのときは眠気が吹っ飛びました。
私は、本人が舞台で泣きながらセリフを吐いているのを見て、台本にないこと(事件)が起きたのではないか、と疑ってしまうほどでした。実際、彼の演技が終わっても、観客は水を打ったように静かで、1呼吸、おいてから拍手が起こったことを記憶しています。私も含めて観客たちは、彼の真剣味あふれる演技と迫力に圧倒されたのでした。
(予告編)
(歌詞)
Dance: ten; Looks; three.
And I"m still on unemployment,
Dancing for my own enjoyment
That ain"t it, kid. That ain"t it, kid.
"Dance: ten; Looks; three,"
Is like to die!
Left the theatre and
Called the doctor for
My appointment to buy...
Tits and ass.
Bought myself a fancy pair.
Tightened up the derriere.
Did the nose with it.
All that goes with it.
Tits and ass!
Had the bingo-bongos done.
Suddenly I"m getting nash"nal tours!
Tits and ass won"t get you jobs
Unless they"re yours.
Didn"t cost a fortune neither.
Didn"t hurt my sex life either.
Flat and sassy,
I would get the strays and losers.
Beggars really can"t be choosers.
That ain"t it, kid. That ain"t it, kid.
Fix the chassis.
"How do you do!"
Life turned into an
Endless medley of
"Gee it had to be you!"
Why?
Tits and ass!
Where the cupboard once was bare
Now you knock and someone"s there.
You have got "em, hey.
Top to bottom, hey.
It"s a gas!
Just a dash of silicone.
Shake your new maracas and you fine!
Tits and ass can change your life.
They sure changed mine.
You"re all looking at my tits now, aren"t you?
They aren"t that big.
I heard that, you bitch. I didn"t want "em like yours?. I wanted them in proportion.
Well, you got what you paid for.
I wouldn"t mind having just one of yours.
Well go out and buy "em?
Have it all done.
Honey, take my word.
Grab a cab, c"mon.
See the wizard on
Park and Seventy-Third
For
Tits and ass.
Orchestra or balcony.
What they want is whatcha see.
Keep the best of you.
Do the rest of you.
Pits or class.
I have never seen it fail.
Debutante or chorus girl or wife.
Tits and ass,
Yes, tits and ass
Have changed..
My...
Life...!
(訳詞)
ダンス:10点、ルックス:3点
まだ仕事にありつけない
踊るのが好きなのに
そんなのおかしい、絶対おかしい
ダンス:10点、ルックス:3点
もう死にたい!
劇場を後にして
医者に予約の電話を入れた
あるものを買うために・・・
それがおっぱいとおしり
きれいなペアのおっぱいを買って
おしりの肉を持ち上げて
鼻を高くして
ついでにその他も全部直したわ
おっぱいとおしり!
やったら大正解
たちまち全国ツアー!
おっぱいとおしりが嫌なら
仕事は来ないわよ
かけたお金はそこそこだけど
(小声で)セックスに影響はなかった
(胸が)ぺったんこで、(性格が)生意気なんていうのは
私に言わせれば浮浪者で敗残者
乞食は絶対に選ぶ人になれない
そうよ、そうに決まっている
体を修理して
「はじめまして!」
人生は終わりのないメドレーへ
例えばこんなふう
「そう、それこそがあなたよ!」
なぜだと思う?
それがおっぱいとおしり
空だった戸棚も
ノックすれば、入っています、となる
さあ、手に入れよう
体の上から下まで
すごい!
少しのシリコンで
真新しいマラカスを振れば、いいオンナになる
おっぱいとおしりは人生を変える
確かに私の人生、変わったわ
あなたたち、いま私のおっぱい、見てるでしょう?
言うほど大きくないよ
言ったわね、アンタたち。アンタたちのものは要らないのよ。私にはこれがぴったり。
うーん、お金で買っただけね
1つ、あなたのものを頂けませんか?
もう、外で買ってきなさい!
すべて終わった
ハニー、私を信じなさい
さあ、タクシーをつかまえて
魔法使いのところに行くの
住所は(ひそひそ声で)パーク通り73番地よ
おっぱいとおしりを求めて
オーケストラからもバルコニー席からも
視線はこの体
最高の状態にしておきなさい
他の人たちもよ
オーケストラやクラスのみんなもね
(今度は)成功間違いなし
初舞台に立つか、コーラスガールになるか、でなければ結婚するか
おっぱいとおしり
そう、おっぱいとおしりは
私の人生を
変えた!
(おまけ)
このミュージカル、フィナーレが粋なんです。普通、舞台では劇が終わると、出演者全員が現れ、観客らにお辞儀して挨拶するのですが、『A Chorus Line』もこれを踏襲します。審査からふるい落とされたダンサーも出てきて、お辞儀して踊り始めます。そして全員がコーラスラインに並んで、足を跳ね上げて踊り、誰もがNO1となって終わるのです。これが感動するんだなぁ。
(再びおまけ)
全くスレと関係ありませんが、明日から伊豆へ家族旅行です。はぁー。