2回連続で砕氷能力試験が予定されていた仕様を満たすことが出来なかったと報じられていたアラオン号ですが、昨日ネットで調べてみると以下のような記事がちょうど1年ほど前に報じられていました。
【韓国】氷海に挑む「科学韓国」世界最高水準の砕氷研究船、今年6月に試運転 [02/01]
◆氷海に挑む「科学韓国」(上)(中)(下)
極地研究用の砕氷船アラオン号、南極・北極の厚い氷を打ち破り、韓国の基地に物資補給
世界最高の「浮かぶ研究室」、2003年から開発、今年6月に試運転
釜山港にある韓進重工業影島造船所。韓国初の近代的な造船所にして
東洋で初めてメンブレン型(船倉が球体ではなく直方体)液化天然ガス(LNG)運搬船が建造された場所だ。
ここで、また一つ「韓国初」が誕生する。極地研究所の砕氷研究船「アラオン号」だ。
国土海洋部が2003年から1040億ウォン(現在のレートで約66億円)をかけて開発したアラオン号は
今年6月の試運転を経て、来年から南極・北極の厚い氷を押し分け韓国の基地に物資を補給し
極地研究を行うことになる。氷で覆われた海の上に、全長111メートルの巨大な「浮かぶ研究室」が登場するわけだ。
◆氷に乗り上げて押し割る
「アラオン」とは、海を意味する韓国語「アラ」と、全部を表す「オン」を付けて作った名前で
全世界の海をめぐる、という意味が込められている。現在、船体工程の80%程度が終わった段階で
研究用装備の取り付けなど内装工事の仕上げの真っ最中だ。
「商船は、貨物の積載空間を増やすために船の前方下部が前に丸く突き出ています。
しかし砕氷船は、氷を割らなければならないので尖っています」
韓進重工業のチョン・ボクファン首席設計員が指差したアラオン号の船体前部は
今でも氷に向かって突撃するかのように鋭くなっている。
チョン首席設計員は、「商船は前の鉄板の厚みが14ミリに過ぎませんが
アラオン号は氷とぶつかる衝撃に耐えるため、39.5ミリもあります」と語った。
しかし、むやみに氷にぶつかっていくわけではない。
砕氷するのが難しければ、船首を氷に載せ、その重みで押さえ込んで割ることもある。
これは、精巧な重心移動技術のお陰だ。アラオン号の船底には、水タンクが幾つもつながっている。
前のタンクの水を後ろに移せば、船首が軽くなり、持ち上がる。
いったん船首が氷の上に載ると、船尾に移した水を再び前に送り、氷を押さえ込んで割ることができる。
砕氷船は、万が一氷に閉じ込められても心配ない。その場合、船体を左右に揺さぶり、脱出することができる。
船底で、左右どちらか片方に高圧の空気を噴き出す。そうすると、タンクの水が空気とは反対側に移り、船がその方向に傾く。
同じ方法で、反対側に船体を傾けることもできる。砕氷船が片側に傾いた後、水平に戻すときにも、同じ方法が用いられる。
砕氷船は商船とは異なり、電気モーターで進む。海で研究を行うときは騒音をなくさなければならず
加えて出力の調節が自由にでき、船体の位置を細かく調節しやすいからだ。
◆高付加価値特殊船市場の開拓に助け
砕氷研究船は、エネルギー開発や新航路の開拓、そして韓国の造船作業の競争力強化のいずれにとっても助けとなる。
南極の世宗基地近海で最近、韓国の天然ガス消費量300年分に相当するメタンハイドレートの層が発見された。
南極・北極は、石油や天然ガスなどエネルギー資源の宝庫だ。
世界各国が40隻余りの砕氷研究船を運用している主な目的も、ここにある。
アラオン号の研究結果は、韓国石油公社や韓国ガス公社など、産業部門に提供される予定だ。
アラオン号は、北極航路の開拓においても重要な役割を果たすと期待されている。
北極の氷が徐々に溶けているという状況の下、ロシアがシベリア地域を開放し
北極航路はこれまでの海運距離を40%程度縮める新航路として注目されている。
極地研究所の南相憲(ナム・サンホン)砕氷研究船事業団長は
「外国の砕氷船は賃借料が1日当たり8000万ウォン(約506万円)にもなるが
自分のスケジュールに合わせて希望する地域に行くことができなかった。
アラオン号は、独自の南極・北極資源の確保や北極航路の開拓にとって大きな助けとなるだろう」と語った。
北極航路が開拓されれば、一般の商船も砕氷機能を備える必要がある。
アラオン号の建造で蓄積した砕氷技術が、注目を浴びるようになるわけだ。
チョン・ボクファン首席設計員は、「アラオン号には、商船や海軍の軍艦の建造などに使われた先端造船技術を駆使している。
砕氷機能を持つ商船を建造する際に、大きな力になるだろう」と語った。
特殊目的船の建造にとっても、大きな助けとなり得る。
影島造船所では、アラオン号の横で同じ大きさの船が建造されていた。
韓進重工業のキム・ジェヒョン課長は、「油田で海底ケーブルを設置する潜水作業支援船だ。
船体は小さくても、1隻当たり1億ドル(約89億円)以上もする高付加価値船だ」と説明した。
韓進重工業はアラオン号の建造で蓄積した技術で、外国の老朽化した砕氷船を代替する新たな砕氷船や潜水支援船など
さまざまな高付加価値特殊船の建造市場に進出することを計画している。
アラオン号の設計も、サムスン重工業やSTX、韓国海事技術など韓国の企業が担当した。
◆研究用としては世界最高水準
アラオン号は排水量6950トンで、外国の船に比べ大きい方ではない。
しかし、60種類余りの最先端の装備を備え、研究能力の面では世界最高水準だ。
カナダが、北極基地を提供する代わりにアラオン号を使わせてほしい、と要請してきたのもこのためだ。
船底には、音波で海底地形や地質を把握し資源を探し出すセンサーが付いている。
さらに、海流の動きや魚群の移動状況を3次元で把握するセンサーもある。
船上には大気を分析する装備があり、海に網や収集器を降ろして海洋生物や土壌サンプルを採取することができ
塩分の変化を把握することもできる。
海洋研究院が開発した深さ6000メートルまで潜れる探査潜水艇「海未来」と
5トンの貨物を空輸できるヘリコプターも搭載し、空から深海に至るまで広範囲にわたって活動を手がける計画だ。

ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2009/02/01 10:59:08
気になったのが赤字の所。
それに先立つ2006年に以下の報道がなされていました。
(ソウル=聨合ニュース)200余億ウォンをかけて開発した国産六千メートル級深海無人潜
水艇の性能に問題があるという指摘が申し立てられた。
金ヨンドク議員(ハンナラ党)は16日農林海洋水産省海洋水産部国政監査で「4月23日
から26日まで、東海(日本海)鬱陵盆地近辺で実施された1次性能検査で耐圧容器漏水、
推進機モーターコントロールアンプコネクター部分漏水、絶縁油漏油による圧力部蒸気異
常などで最高1千65メートルまでしか潜ることができなかった」と明らかにした。
これに対して金ソンジン海洋部長官は「事実関係はその通り」と認めて「高圧水槽の中で
は六千メートルへの到達に成功したが、実際の海中実験で一部問題が発見されたようだ」
と答えた。
金長官は続けて「漏油部分を非金属材質に交換した後、今月末にまた実海域性能試験を実
施する計画」とし、「専門家たちが今回は成功するだろうと予想している」と言った。
ソース:聨合ニュース(韓国語)"6千m級深海潜水艇1千mで故障"
で、後日談として日本wikiに以下の記載が…
ヘミレ(Hemire)は韓国が開発していた深海無人潜水艇。海洋部と韓国海洋研究院が共同で2001年より開発が行なわれ、2006年3月に進水。海洋部によって世界で4番目に深海6000メートルまで潜水できる無人潜水艇の開発技術保有国になったと発表された。
2006年4月23日から26日に実施された第1次性能検査で、耐圧容器漏水、推進機モーターコントロールアンプコネクター部分漏水、絶縁油漏油による圧力部蒸気異常が発生し、深度1065メートルで試験中止となった。その後開発計画は放棄された。
同艇はサンプルを採取するための油圧アーム(2本)、位置追跡装置を装備していた。
…1次資料が見つからないので断定できないのかも知れないですが、
開発計画が放棄されたものを搭載予定に含まないように!!!
((1月29日追記))
chmm氏からの情報で、後日試験に成功していたことが判明。
wikiの記載に問題があると思われるので、wikiの記載も含めて修正した。
最も韓国では、箱だけ作って中身は知らないというのは日常茶飯事なのかもしれないですけど…
例えば、
独島艦の搭載ヘリコプターとか、
KDX-3の搭載ミサイルとか、
日本ではそういった代物を張子の虎と呼びます。