防衛白書の要旨詳報
2010年版防衛白書
【安全保障環境】
・国際情勢
経済成長を背景に一部の国家が台頭している。大量破壊兵器の拡散、国際テロ組織の活動もあり、国際的安全保障環境は複雑で不確実。米国の優位性低下を指摘する声もあるが、影響力を有することに変わりはない。
・アジア
中国、インドの経済発展に世界的な関心が高まっている。各国の協力関係が進んでいるが、朝鮮半島の南北分断、台湾問題、南沙諸島の領有権問題も存在。わが国固有の領土である北方領土、竹島の領土問題は依然未解決。
・北朝鮮
東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因。特に核開発は、わが国の安全に対する重大な脅威で容認できない。短期間のうちに核兵器の小型化、弾頭化を実現する可能性も排除できず、関連動向に注目する必要がある。イランやパキスタンから技術を移転し、ミサイル開発を進めている可能性もあり、懸念される。3月に韓国海軍哨戒艦沈没事件が起き、韓国軍などの合同調査団は「北朝鮮の小型潜水艦が発射した魚雷の水中爆発で沈没した」と発表。米韓両国は合同軍事演習を実施し、日本も海上自衛官4人をオブザーバー派遣した。
・中国
国防政策の不透明さと軍事力の動向はわが国を含む地域・国際社会の懸念事項。日本近海での海軍の動きは活発。今年3月に6隻の艦艇が沖縄本島と宮古島の間を横切った。4月にもキロ級潜水艦など10隻が通過し、その後沖ノ鳥島西方海域に進出。海上自衛隊の護衛艦に対し、中国の艦載ヘリコプターが異常接近するトラブルも発生した。複数の軍高官の発言は空母保有に肯定的。ウクライナから購入した未完成の空母を改修し、武漢市には空母を模した建造物を建設した。空母の保有に向けた開発を続けていると考えられる。国防白書を隔年公表しているが、主要装備品の調達費用の内訳を示していない。04年11月に起きた中国の原子力潜水艦による日本領海侵犯事件も詳細な原因が明らかにされておらず、透明性の向上が望まれる。
(中略)
【防衛政策】
・防衛大綱見直し
国家の安全保障にかかわる重要課題。十分に検討した上で今年中に結論を得る。防衛分野などの有識者で構成する「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」は8月に報告書を提出した。これを検討材料として見直しを進める。
・10年度防衛力整備
10式戦車の整備、戦闘機F15、F2の能力向上を進める。自衛官の実員を民間委託を通じて約3500人削減。
・南西諸島防衛
領空領海と周辺を常時警戒監視している。これまでに沖縄の陸上自衛隊第1混成団(那覇市)を第15旅団に改編したほか、F15戦闘機部隊を那覇基地に配備。しかし宮古島以西に部隊は配備されておらず、防衛上の空白地域となっている。新たな部隊配備を検討中。
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091001000230.html

