皆さんは国産兵器の価格は高いという認識が一般的なようですがけしてそうではありません。まず、兵器の価格をメディアで調べると大抵ドルを円に直していくらだなどとやっていますが間違いです。注意としてはアメリカ軍への納入金額で計算している人が多く見受けられます。アメリカ軍への納入金額ではたとえ同盟国であったとしてもその金額では購入不可能です。
F-2は確かに1機120億円ですが、もしF-16を買った場合ではF-16の輸出価格はバージョンにもよりますが、C/D型の後期なら50~80億円。最新鋭のBlock60ならば100億円を超えます。つまり日本がF-2を開発せずF-16をそのまま導入した場合、時期的にBlock50を選択していたでしょうから、FMSで導入なら安くても60億円、ライセンス生産なら80億円は掛かります。(これでも見立てはかなり甘いかも)
ではP-XやC-Xはどうでしょうか。二つ合わせて3270億円です。ではA400MやP-8Aは?欧州のA400M輸送機の開発費が15億ユーロ=2440億円、アメリカの対潜哨戒機P-8Aの開発費39億ドル=4680億円ということを考えれば(炎上する前の予算)、2機種合わせて開発費3450億円というC-X/P-X計画のコストパフォーマンスの良さが分かると思います。1機あたりの製造単価については、まだ試作機しか納入されていない為、量産機のコストはまだ分かりません。そもそも世界各国に売る事が出来るA400MやP-8Aに比べると、C-X/P-Xが割高になるのは仕方ない気もしますが・・・・。
次期哨戒機、国産エンジンを採用 - 2004/12/02,日本経済新聞
次期哨戒機をめぐっては、石破茂・前防衛庁長官が在任中、国産方針を見直し、米ボーイング社が開発中の多任務洋上哨戒機(MMA)の購入を検討するよう求めた経緯がある。最終的には石破氏も国産化を容認したが、「国産は高すぎる」と難色を示した。
737MMA(P-8ポセイドン)哨戒機は、ボーイング737旅客機(双発)をベースにアメリカで開発されているのですが、開発は難航しており開発費はウナギ登り、機体の調達単価もどんどん上昇し、もはや一歩間違えれば失敗プロジェクトになりかねない惨状で、P-8は昨年の段階で1機あたりPCUで2億8660万ドル(300億円近い)を予定しています。対する日本のP-X(XP-1)は最初の調達価格が1機170億円で取得済み、量産単価は70機取得の場合、1機124億円を予定してあり、開発費を加えてもP-8の半額であり、「国産は高過ぎる」とする石破茂議員の主張は間違っていた事がハッキリしています。
海上自衛隊の幹部が『4発はパイロットの安心感です。これに命を懸けるパイロットの気持ち、わかりませんか』と言ったのは、哨戒機は経空脅威に晒される任務を担っているからです。不審船に対処する任務や、場合によっては有力な水上戦闘艦相手にも接近する事もあります。もし不審船が携行SAM(対空ミサイル)で攻撃してきたら? 敵水上戦闘艦が攻撃してきたら? 4発機ならエンジンを1基失ったところで十分に帰ってくる事が出来ます。しかし双発機では長距離任務の際は戻って来られる可能性は大幅に下がります。また、哨戒機は海面上を低空で飛ぶ事が多く、エンジンが塩害で不調になりやすいのですが、その際も4発機の方が双発機よりも安心感が大きいのです。
737MMA計画は双発のP-8でエンジン1基での片肺飛行を行わせるつもりでしたが、双発機の片肺飛行は長時間を飛べず、推力がアンバランスになり機体の安定性が大きく落ちる問題点が指摘されています。その点、4発のP-Xは1~2基エンジンを止めても機体の安定性は保ちやすく、長時間飛行する事が可能です。
By JSF氏 お借りしました。ありがとうございます。
値段の話2年目
去年に続いて公表されたライフサイクルコスト管理年次報告書。
待ちに待ったC-2と新戦車が追加されたので早速比較してみるとしよう。
流石にP-1より安いが、A400Mの計画値に比べると高め。
現在の見積もり値は調べてたらキリが無いので考えないことにしよう。
ちなみにC-2の本体価格は1機130億7000万円、生産ラインコストが別に初度費として264億円と見積もられている。P-1は生産ラインコスト込みで1機127億5428万円、機体サイズの差がアヴィオニクスの差を上回ってる模様。運用・維持段階の費用はP-1が1兆895億円であるのに対し、C-2は9760億円と若干安い。
これを1機辺りの年間費とするとP-1は7億7821万円、C-2は6億1000万円と明らかに安いことがわかる。
燃料費はP-1が3098億円でC-2は2546億円、補正するとそれぞれ2億2128万円と1億5912万円となる。
別にP-1の燃費が極端に悪いはずも無いし、最大燃料搭載量はC-2の方が倍くらいある。
にも拘らずこうも燃料費が違うのは、C-2が平時運用では長距離飛行しないと見積もられているからだ。
C-2は燃料満載で10,000km飛行可能だが、国内の定期便運用でそんな距離を飛行することはありえない。千歳から那覇まで飛んだとしても2,300km程度、途中で硫黄島を経由したって3,400kmくらいしか飛ばない。つまり定期便で使用する燃料は、余裕を持って見ても満載時の半分以下でしかないのだ。
一方でP-1の場合は進出先の洋上でグルグルと滞空するので、普段から満載に近い量の燃料を消費する。仮に那覇から東シナ海に進出するとしても、進出距離が短くなった分は哨戒時間に振り分けられてしまう。性能向上により機数減少は相殺される、とは言うがその結果は1機辺りの飛行距離増大という訳だ。
そういえば取得開始が23年度になってるね。
でただ部品の名前書き出して終わるのもどうかと思うのでもう一つのネタ。
http://www.epco.mod.go.jp/about/pdf/20lifecyclecost_houkokusyo.pdf
去年の8月に装備施設本部が公開したP-1とF-2のライフサイクルコストに関する見積もり資料だ。
内容に付いては直接見たほうが早いだろうということで、ここでは他の装備と条件を揃えたLCC比較をして見ようと思う。
まず比較対象として真っ先に挙げられるのがP-8Aであろうが、公開されてるLCCの見積もり条件はP-1のそれと若干異なる。
なので1機当りのLCCを運用期間で割った数字を算定し、それを比較してみる。
ご覧の通り、P-1とP-8AのLCCは実質的に大差無いということになる。
ただしP-8Aの数字はFY04、つまり開発開始当初の見積もりであり、この点でもまだP-1と見積もり条件が異なっているのだ。例えばこの4年間で航空燃料価格は倍以上にまで跳ね上がっており、P-1の場合は総LCCの1割以上が燃料費となっている。またP-8Aについてもユニットコスト増大によりFY04の予算では88機か50機程度しか調達できない、というSTRATEGY PAGEの記事もある。
そういった諸々で補正して見たのが以下の表。
燃料費補正後のP-1がFY04時のP-8Aより安く、機数補正後のP-8Aが現状のP-1よりも高いという結果である。ついでにF-2とA400Mも並べて見たが、さてさてA400Mの数字を補正したりC-2を追加できるのは何時だろう。
恐るべき価格破壊
前回P-1とP-8AのPCU比較を初年度調達単価ベースでしたが、初年度はライン構築費用などが入っており平均価格よりも高くなる傾向がある。
当然ながら平均量産単価はそれよりもっと安くなるのが当たり前なのだが、それに関して海自がある意味ふざけ過ぎの見積もりをしていた。
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/about/mame/budget/3.pdf
70機調達の場合で平均量産単価は124億円、だそうである。
既に十分お得な初年度単価より更に46億円も安い、これがどういうことか判るだろうか。
PCUに直してP-8Aのそれと比較すると、実に2倍前後もの差があるのだ。
エンジンまで含めて新規開発で更に上記の様な豪華機材満載、それが既存エアフレーム流用機のおよそ半額というのだから・・・
開発費込み調達費
何だかんだでP-1の調達要求は認められた訳だが、今のところ唯一ライバルとなり得るP-8Aについてはまだ調達費用が算出可能な段階に至っていない。
その代わりと言うか、単価+1機当りの開発費という形でPCU*1がDIAにて公開されている。
http://www.defenseindustrydaily.com/defenseaerospace-estimates-us-aircraft-costs-03227/
これによればP-8AのPCUは調達数114機の場合で2億8660万ドル、日本円で300億円以上ということになる。P-1の調達単価は初年度で170億円、米ドルではおよそ1億5000万ドル程度。
さてここでP-1のPCUを幾つかの条件で算出してみよう、なお開発費は3500億円とする。
P-1のPCUは195億~220億ということになり、最悪C-2の調達数が減ってもなおP-8Aより安く付くというわけである。そんなP-8Aだが、初めからこんな馬鹿みたいに高かった訳ではない。
http://www.strategypage.com/htmw/htproc/articles/20060514.aspx
計画開始当初のPCUは1億9000万ドル、本体単価も1億2600万ドルに過ぎなかったのだ。
それが2006年には2億4700万ドルにまで高騰、2007年には上述の通り2億8660万ドルにまでなってしまったのだから酷いものである。もっとも、計画開始当初のPCUでも現在のP-1のPCUと大差無いことを考えると、一般に言われているほどリーズナブルな計画ではなかったのかもしれない。
最近になってインド海軍に提案された本体単価は2億5125万ドルということであるが、仮にこれがPCUだとしても余りに高過ぎると言うものだ。*2同じニュースでA320ASWの価格は2億ドルと提示されているが、絵餅な上に全く同じコンセプトのP-8Aの惨状を見ると説得力の無い数字である。
というかBAEはニムロッドの売込みを諦めたのだろうか、変な改造機作るよりよっぽど確実な商売だと思うのだが。
*2:http://www.kojii.net/news/news071214.html
CHF氏 お借りしました。ありがとうございます。
P-8Aは開発費を見ても1機250億円を超える単価になりそうです。さらにインド海軍がP-8Iの購入を8機決定しています。P-8IとはP-8Aのダウングレード板でしょう。2015年に8機の調達を決定していますが、金額は200億だそうです。
米政府がインド政府への哨戒機売却を許可 米国の対印兵器取引で過去最大規模 ロイター通信によると、米政府は16日までに、ボーイング社製P8I哨戒機 8機のインド政府への売却を認可する方針を固め、米議会に通告した。メンテ ナンスなども含めた取引総額は約21億ドル(約2000億円)に上り、米国 からインドへの兵器輸出としては過去最大規模になるという。 国務省が議会に通告した内容によると、2013年にも1号機が配備され、 2015年までに8機全部がインド側に届く。P8Iは民生用のボーイング 737を改造し、長距離用途に適しているとされる。インド海軍は同機の初の 海外ユーザーとなる見通しだ。(共同) (産経新聞 2009/3/17) 高いですね、P-8。これがダウングレードなんですから国産のほうがありですね。 P-8Aが哨戒機として厳しいことは次書きたいと思います。 P-8A ポセイドン
XP-1
XP-1についてはこちらもhttp://www.kjclub.com/jp/exchange/photo/read.php?uid=8172&fid=8172&thread=1000000&idx=1&page=1&tname=exc_board_53&number=1&f=a.j_subject&word=XP-1
追記:
noribe 11-13 13:57:01
韓国語を表示
直後に補佐官が、アメリカは、尖閣諸島が中国の領土か、日本の領土か、どちらの立場もとらない。と言ったことは日本では取り上げられないところが・・・orz
これどなたが言ったものなのでしょうか?尖閣諸島についてはこちらもご覧ください。