「つらいからといってへこんでばかりいるわけにはいかないでしょう。立ち上が
らなければなりませんね。韓国語の勉強は、我々皆に、頼もしい力になってい
ます」
昨年、東日本大震災で大きな被害を受けた日本・大船渡市の仮設住宅の団
地に、久しぶりに「希望の花」が咲いた。人口4万人の大船渡市は、1800世
帯の被災者が出た。一夜にして全てをなくし、難民となった被災者らの苦しみ
は依然変わっていない。しかし、大震災から1年が経った今、再び立ち上がる
力を手にし始めている。希望の種となったのは、韓国語の勉強だ。
被災者たちは先月13日から1週間おきの金曜日の夕方に会って、2時間ずつ
韓国語を学んでいる。4月27日、記者が教室を訪れた時、20人の受講生は
2度目の授業を受けていた。教室といっても、仮設商店街の2階に設けられた
プレハブだが、情熱だけは熱かった。
「狭くて劣悪な仮設住宅で住んでいれば、ストレスが多く溜まります。しかし、
住民たちが一緒に何かをしていれば、状況が改善しそうな気がしました。その
何かが、韓国語になったわけですね」。
韓国語の勉強会のアイデアを出したのは、上野英明さん(61)。上野さんは、
「仮設住宅には、お互い知らない人同士が集まって暮らしているので、『隣人』
という絆が薄い。会話やコミュニケーションがほとんどなく、孤独死や自殺の原
因になるケースもある」とし、「津波で自宅や店を全て失って、仮設住宅に暮ら
していた私も、喪失感を克服するのが何よりも急務だった」と話した。上野さん
は大震災後、諦めていた韓国語の勉強を再び取り組むことを決め、人々を集
めた。
問題は韓国語教師を探すことだった。上野さんは、地元でボランティア活動を
している日本市民団体「チャイルドファンド」に頼んだ。チャイルドファンドは、
東京で活動している韓国人市民団体「NPO法人・韓日文化交流財団」に依頼
し、大船渡市に住んでいるただ一人の韓国人、ユン・ファンシクさん(写真)を
見つけて紹介した。15年前に日本に渡り、日本人女性と結婚したユンさん
は、現在大工をやっている。ユンさんは、「人に教えた経験ががなく、戸惑った
が、この方々の情熱に感心した」とし、「同じ被災者として、かえって私がより励
まされている」と話した。
被災者たちが韓国語の勉強を決心したのは、韓国ドラマの影響が大きかっ
た。2年前から韓国ドラマに夢中になっているという50代の女性、志田裕子さ
んは、「韓国ドラマを見れば、心が温かくなる。韓国では1歳でも年上なら、目
上の人として敬い、家族への愛情が溢れている。そんな韓国を目にし、韓国
文化や韓国語をより一層学びたいと思うようになった」と話した。芸能人の宋
承憲(ソン・スンホン)氏が好きで、異名まで「宋幸子」に変えたという大塚幸子
さんは、「韓国語を学ぶ日は、嫌なこと全て忘れることができ、幸せだ」と話し
た。
チャイルドファンドの船戸義和氏は、「韓国語教室の開設ニュースが広まり、
授業初日は10人前後だった申込者が24人へと増えた」とし、「最近、様々な
同好会ができているが、韓国語教室がもっとも活発だ」と語った。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012050296088
災害につけこんで