首相、解散どころか総辞職の危機 ろれつ回らず酒浸り
2012.11.5 23:56 (1/2ページ)[野田首相]
握手するフィリピンのアキノ大統領(右)と野田首相=5日、ビエンチャン(共同)
野田政権崩壊へのカウントダウンが始まった。産経新聞社とFNNの合同世論調査で、内閣支持率は「危険水域」とされる10%台目前の21・5%ま で下落。調査では、首相が自民、公明両党に約束した「近いうち解散」の時期について6割以上が「年内」と解釈しているが、その前に首相が総辞職に追い込ま れるかもしれない。
「内閣支持率に一喜一憂しません。国民の叱咤(しった)激励と受け止めたい」
首相は5日夜、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議出席のため訪問中のラオスでの内政懇で、こう受け流した。「近いうち解散」について聞かれても、「解釈はいろいろある。自分で責任を持って総合的に判断する」と、時期の明示をかたくなに拒んだ。
しかし、いくら首相が口をつぐんでも、一部の閣僚や民主党幹部からは最近、「首相の専権事項」に関するあけすけな発言が続いている。
「大臣に就いたとき、役所の担当者には『2~3カ月しかこの職にいないかもしれない』と話した」
前原誠司国家戦略担当相は5日、日本記者クラブでの記者会見でこう述べた。10月1日の入閣時から、「年内解散」を想定していたというわけだ。
これに対し、民主党の輿石東幹事長は4日のNHK番組で年内解散を否定。それでも、前原氏は「首相は(近いうち解散の)約束を違える人ではない」と反論。解散権という首相の「伝家の宝刀」を、他人が勝手に振り回している。
世論調査では、62・6%が「近いうち解散」を「年内」と解釈。政権への失望から、早期解散を求める声は日増しに強まっている。
だが、肝心の野田内閣の支持率は、退陣前の鳩山由紀夫元首相や菅直人前首相の水準に近づき、解散の余力が残っているかすら疑わしいレベル。かといって、解散を先送りすれば、自民党の「嘘つき」批判は強まり、支持率はさらに低下する。
葛藤を抱えた首相は最近、公邸で身内相手に晩酌することが多く、「酒量も増えた」(首相周辺)という。疲れのせいか、先週は衆参本会議の答弁で、2日続けてろれつが回らなくなる場面があった。
「いつ解散に踏み切ればいいか、自分でも分からなくなっているようだ」。首相周辺は首相の心中をこう推し量った。(力武崇樹、ビエンチャン比護義則)