【社説】全斗煥氏はうそをついたまま人生を終えるつもりか
検察は16日、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領に対する追徴金のうち、滞納している1672億ウォン(現在のレートで約150億円、以下同じ)を回収するため、ソウル市西大門区延禧洞の全氏の自宅などを家宅捜索し、高額美術品などを押収した。
検察によると、家宅捜索は金属探知機なども使って徹底して行われたという。
さらに全氏の長男・全宰国(チョン・ジェグク)氏の自宅や宰国氏が所有する出版社の時空社とハーブビレッジ(京畿道漣川郡)、
次男の全在庸(チョン・ジェヨン)氏、娘のチョン・ヒョソン氏、全氏の妻・李順子(イ・スンジャ)氏の弟の李昌錫(イ・チャンソク)氏、
全氏の弟・全敬煥(チョン・ギョンファン)氏の妻のソン・チュンジ氏の自宅など、計16カ所でも家宅捜索が行われた。
検察は2003年、全氏の自宅の離れや家財道具などを差し押さえて競売処分を行ったが、他の親族に対して家宅捜索を行ったのは今回が初めてだ。
大法院(最高裁に相当)は16年前、全氏に対して大統領在任中における収賄などの容疑で2205億ウォン(約196億円)の追徴金支払いを宣告したが、全氏がこれまで納付した額は追徴金全体の24%に相当する533億ウォン(約47億円)にとどまっている。
ちなみに16年前の同じ日にやはり追徴金が確定した盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は、現時点で91%を納付している。
当時の裁判で全氏は「通帳には29万ウォン(約2万5800円)しかない」などと主張したばかりでなく、自宅の離れが競売処分されることで発生した4000万ウォン(約360万円)以上の税金についてもいまだに支払っていない。
ところが2004年に検察が次男の全在庸氏に対して捜査を行ったところ、全氏の隠し財産のうち73億ウォン(約6億5000万円)が見つかった。
このように全氏とその親族が巨額の資産を隠し持っていることについては、国民の誰も疑ってはいないだろう。
全氏が隠し持つ資産は、そのほとんどが大統領在任中に企業などから受け取ったものだ。
全氏はそれを一切返還しようとせず「金などない」とうそをつく一方で、自らと家族はぜいたくな生活を続けてきた。
全氏がかつての部下ら十数人を連れて定期的にゴルフをしていることも、今では国民の誰もが知っている事実だ。
三男一女の子供たちが所有する資産も、分かっているだけで1000億ウォン(約89億円)を上回るが、その中でそれなりの事業活動を行っているのは長男の全宰国氏だけだ。
しかしそれさえもその元手がどこから出たものかは誰も分からない。
また他の子供たちや親戚については、事業らしい事業など誰もやったことがないしやってもいない。
だとすれば全氏はどこから手に入れた資金をどのように運用し、巨額の資産を築き上げたのだろうか。
法律も全氏に対しては16年間、何もできなかった。
検察が次男の全在庸氏への捜査を行ったことで存在が明らかになった73億ウォンについても、今なお返還されていないことが後から分かった。
検察はその気にさえなれば、16年間のうちにいつでも全氏一族の資産に対する全面的な捜査を行うことができたが、今回朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の指示が出るまでは一切動こうとしなかった。
この16年の間にリベラル政権が2期、保守政権が1期権力を握ったが、いずれも全氏一族による法律逃れについては見て見ぬふりをするばかりだった。
判決からすでに多くの歳月が流れたこともあり、全氏から追徴金の未納分に当たる1672億ウォン(約150億円)を全て回収するのは難しいかも知れない。
一族が所有する資産も、それが実質的に全氏の所有である証拠がなければ回収することはできない。
その結果、この問題によって韓国社会は見方によっては1672億ウォン以上のものを失ったのではないか。
この16年間に全氏が食いつぶしたのは現金ではなく法治主義だ。
全氏が今もなお大手を振って存在するという事実は、力のある人間には法律さえ避けて通る大韓民国の現実を示すものでもあるからだ。
法治主義の崩壊を示すこの明確な証拠を前にして、韓国社会で一体誰が法律と正義を口にし、またそれを求めることができるだろうか。
全氏の年齢はすでに82歳で、その人生も間違いなく終わりの時が近づいている。
全氏のその堂々としたうそを見て、何か彼の豪快さでも示すもののように賞賛する人間が、全氏の周辺には今なお数多く存在する。
しかしこれは豪快さなどではなく、大韓民国の法律と国民への背信行為に他ならない。
全氏は果たしてこのまま人生を終えるつもりなのだろうか。
彼に真の豪快さがあるのなら、人生の最後に自身の名誉と元大統領としての名誉、さらに国の格にこれ以上傷をつけないためにも、自らと親族の資産を全て整理すべきではないか。
全氏が法治主義につけた傷は自らが治癒すべきであり、そのための方法も時間も今はまだ残されているのだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
-----------------------------------------------------------------------------------------------------不満のはけ口は日本にすれば解決ニダ。