【コラム】基礎が弱い韓国陸軍
朝鮮日報日本語版 7月21日(日)7時34分配信
(写真:朝鮮日報日本語版)
▲ユ・ヨンウォン記者
(ケース1)今月11日、豪雨が降る中、韓国陸軍のある師団を見学していた民間人のAさんは、この部隊の幕舎(内務班)を見て驚いた。それは1個小隊(約
40人)が寝台で横になる旧型の内務班で、雨が降ると天井から雨漏りする程だった。幕舎の裏手では土砂崩れが発生しており、生き埋めになる恐れもあることから、将兵が避難しているという状況だった。この幕舎は、予定では早くても2015年ごろにならないと改善されないという。
(ケース2)韓国軍のある将官は最近、板門店共同警備区域(JSA)の韓国軍警備大隊を訪問し、わが目を疑った。JSA大隊の一部の隊員は、破片を防ぐためのチョッキの内側に粘着テープで防弾板(トラウマプレート)を留めていたのだ。JSAでは、南北双方が張り詰めた空気の中、数十メートルの距離でにらみ
合っており、ほかのどの部隊よりも優先して新型の防弾チョッキが補給されなければならない。にもかかわらず「粘着テープ」で作った防弾チョッキを着ていた
というのだ。
(ケース3)今月14日夕、このところ人気を集めている地上波テレビの軍関係のバラエティー番組で、浮橋(ポンツーン)を設置する場面が放送された。ところが、浮橋を連結したりロープを引っ張ったりといった危険な作業を行う兵士たちの手は、素手であったり、私物の手袋をはめたりしていたのだ。
こうした韓国陸軍の姿は、これまで知られていた韓国陸軍の様子とはかなり差がある。外から見える韓国陸軍の姿は、海軍・空軍に比べ大軍で、保有しているものも多い。陸軍の兵力は52万人で、韓国軍の総兵力(65万人)の80%を占める。約440人いる韓国軍の将官も、陸軍の占める割合が海軍・空軍に比べ圧倒的に高い。
しかしその陸軍の内部の実態はどうだろう。有事の際に対決することになる北朝鮮の地上軍と比較すると、余計な体脂肪を抱えて筋肉が弱い、基礎が不十分な
軍隊ではないのかという疑念を払拭(ふっしょく)できない。中でも、「やりの穂先」と呼ばれ地上軍の基礎部隊といえる、大隊クラス以下の戦闘力を見るとそ
のように感じる。最末端部隊となる分隊の場合、韓国陸軍は9-10人を基準にしているが、北朝鮮軍の分隊は12人からなる。
下級部隊の火力面では、北朝鮮軍の方が圧倒している。北朝鮮は各分隊が、RPG7対戦車ロケット2門や狙撃用小銃などで武装している。下級指揮官の場
合、韓国陸軍では経験の浅い下士(伍長に相当)クラスが分隊長を務めているが、北朝鮮軍では入隊から5年以上たった中士(軍曹に相当)クラスが務めている。韓国陸軍ではトラック、ジープなど各種車両の80%が寿命年限(12年)を越えるなど、装備の老朽化の問題も深刻だという。
国防部(省に相当)と陸軍は、兵力を削減して装備を現代化し、不十分なところを解消する計画だ。問題は、こうした問題点を改善する事業に対して、軍内部の予算の優先順位が低いという点だ。1個大隊を現代化する事業だけでも約190億ウォン(約17億円)の予算が必要だという。現代戦では、昔に比べ、地上
軍より海軍・空軍の役割の方が大きくなることは避けられない。とはいえ、北朝鮮で事態が急変したときの安定化(治安維持)作戦など、韓半島(朝鮮半島)での陸軍の役割は依然として重要だ。基礎が不十分な陸軍をこれ以上放置できない理由が、ここにある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130721-00000062-chosun-kr