日本の政界は、五輪の招致こそが「強い日本」を取り戻す契機になると考え、招致に全力を挙げてきた。安倍首相は1964年の東京五輪を思い起こさせながら「東京五輪は敗戦からの復興を目指し、全国民が一つの目標に向かうきっかけになった」と述べた。
昨年4月の国際オリンピック委員会(IOC)による調査で、日本は五輪開催支持率が47%にすぎなかった。だが昨年8月、当時の東京都知事だった石原慎太郎氏が銀座でロンドン五輪メダリストのパレードを行ったことなどを機に、今年3月には支持率が70%に急上昇した。約50万人の観衆が集まったこのパレードは、極右派の石原氏が五輪をナショナリズム高揚の契機とするために企画したとみられている。
安倍首相は昨年末の就任後から今年8月末にかけ、8回にわたり18カ国を訪問した。時事通信によると、安倍氏は訪問国にIOC委員がいるかどうかを常に気にしていたという。6月にはアフリカ約50カ国の首脳らを集めて横浜で開催したアフリカ開発会議(TICAD)で、政府開発援助(ODA)の拠出を表明。表向きは安全保障・資源外交だったが、実際には五輪招致の支援活動だったとみられている。また、皇室の政治利用をめぐる批判があったにもかかわらず、現天皇のいとこに当たる故・高円宮憲仁親王の妻、久子妃(60)がIOC総会に出席した。
安倍首相はロシアで今月5-6日に開催された20カ国・地域(G20)首脳会合の閉幕前にアルゼンチンへ移動し、IOC総会の最終プレゼンテーションで演説した。懸念材料となっていた東京電力福島第一原発の汚染水漏れ問題に触れ「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメールの範囲内で完全にブロックされている。全く問題はない」と強調した。ロイター通信は「安倍首相の演説が東京五輪決定への決め手となった」と報じたが、日本共産党などは汚染水が原発の港湾の外にも漏れた可能性が高いとし、首相の発言を「無責任」と批判している。
安倍首相は五輪の招致成功を追い風に支持率を上げ、消費税増税や環太平洋経済連携協定(TPP)交渉などの経済懸案と、集団的自衛権の行使容認や憲法改正といった政治懸案の推進を加速する見通しだ。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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