International Business Times
http://jp.ibtimes.com/articles/51714/20131123/988544/page1.htm
イタリア失業問題
若者の国外逃亡に歯止めなし
2013年11月23日
イタリアの経済危機は深まり、政府の歳出は大幅に削減され、若年層の失業率は40%を超えた。知識階級は国外へ移動し、若者の半分近くは国を去りたいと考えている。
慈善団体「カリプロ財団(the Cariplo Foundation)」とトニオロ高等教育研究所(the Toniolo Institute for Higher Education)が公開した報告に依ると、イタリアの若年層の内48%が国外で仕事を探したがっている。
また、イタリア国内に留まる46.5%は職業経験を得る事が出来ないまま無職の状態にある。更に、国内で職を見付ける事が出来た若年層の内47%が薄給に不満を持っている。
ブルームバーグに依ると、イタリアの9月の失業率は過去最高の12.5%であり、1977年にデータを測定し始めて以来、過去最悪であった。同国の統計組織イスタット(Istat)の会長代理であるアントニオ・ゴリーニ(Antonio Golini)氏は、イタリアの国内総生産(GDP)が今年、1.8%縮小する見込みであると説明した。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミストであるラファエラ・テンコニ(Raffaella Tenconi)氏は、「失業率は約13%というピークを迎えています。そして、来年も改善する見通しはありません。雇用をしようという意図は見受けられます。しかし、労働市場は弱まり続けています」とブルームバーグに述べた。
ここ数年に渡って、イタリアにおける仕事の数は減少している。何千人ものイタリア人が、イギリス、ドイツ、スカンジナビア諸国へと出て行った。
イタリアのエンリコ・レッタ首相は今月初め、「若年層の失業率は、私達の国にとって悪夢です」と述べ、イタリアに「失われた世代(lost generation)」を創出してしまうのではと危惧していると付け加えた。
地方紙に依ると、国外に出ていったイタリア人は、例え、同国の経済が回復したとしても、祖国へ帰国するつもりはないという。イタリアの企業文化は、開かれた北欧諸国と異なり、身内贔屓、労働者搾取、老人差別等が根深いと言うのだ。
現在、ロンドンで会計主任として働ているロレンツァ・フリジェリオ(Lorenza Frigerio)氏は同地元紙で、「私は決して帰らないでしょう。イタリアの事を考えると暗い気分になります。朝起きて、決して良くならないであろう経済や政治について読む。そして、何も良くならない事を知っているのです。私は今でも自分の事をイタリア人だと思っていますが、今はロンドンが私の故郷です」と述べている。同氏は最近、ミラノの大企業からスカウトされたが、断ったと言う。
ロンドンで広報の仕事をしているヴァレンティーナ・モレサ(Valentina Moressa)氏は、イギリスでは血縁は、ほとんど意味をなさないと説明する。
同氏は、「私は初めて、自分のスキルと才能をアピールする機会に恵まれました。イタリアでは、誰を知っていて、誰に目を掛けてもらっているかが重要だったのです。私はここに来て解放されました。イタリアに居ても仕事は見付けられますが、薄給、或いは責任の伴わない仕事です。イタリアで起業するのは愚者です」と述べた。
同氏の大学時代の友人の内、80%はイギリスやドイツなど、イタリア国外にいるという。
ブリュッセルの人権活動家であるヴァレンティーナ・チェッコ(Valentina Cecco)氏は、イタリアには未来が無いと言う。同氏は、「経済も理由の一つですが、もっと精神的な問題があります。政治家は市民の生活について配慮しません。彼等にはシステムを変えたいという気持ちが無いのです。経済が改善しても、状況は同じでしょう」と述べた。
コリエール・デラ・セーラ(Corriere della Sera)紙のコラムニストであるベップ・セヴェニーニ(Beppe Severgnini)氏は、イタリアのエリート層が国を去りたがる事に共感する。同氏に依ると、老齢年金がGDPの14%、社会的支出の57%を占める。それは欧州で一番大きな割合である。また15歳~24歳の5分の2は無職である一方、55歳以上で職業に従事している人は過去5年間で280万人から350万人に増加している。
また、過去10年間で、大学を卒業した40万人が国を去ったが、同じ期間にイタリアで職を得た外国人は5万人に留まっている。 同氏は、「欧州連合が推奨しているような『人の自由な移動』ではありません。イタリアの動きは国外逃亡です」と警告した。
経済だけ、似ているw