- 2014年 4月 04日 20:18 JST
韓国、円安を憂慮する必要ない=IMF報告書
Bloomberg News昨年の円安をめぐり、輸出競争力で日本に劣ることを恐れる韓国の指導者らは不満を漏らした。だが国際通貨基金(IMF)は最新報告で、韓国が不安を感じる必要はなかったと指摘した。
IMFの報告書によると、2008年から12年にかけてウォンが下落した時期に韓国の輸出企業の多くは業績を伸ばしたものの、日本の輸出企業への大きな打撃はなかった。
「近隣窮乏化」をもたらすとされる通貨戦争の影がアジアに現れる中で興味深い指摘だ。中国政府は元安の誘導を続け、日本は円安に向けた金融政策の追加を用意している。
韓国政府に対しては、IMFが1月にウォン安を目的とした為替介入をやめるよう呼びかけた(韓国側は為替相場を安定化するための介入だと主張しているが)。
アジア諸国は長らく、海外で自国製品を安く販売するために為替水準を抑制してきた。
日本と韓国は自動車、半導体、電子製品、時計などの市場でしのぎを削っており、互いの為替動向を注視している。
IMFの統計では、世界の輸出額に占める韓国の割合は08年に2.7%だった。これがウォン相場の下落を経て12年には3.1%へ上昇。同じ期間に日本の割合は5%未満へ低下した。
IMFによると、そこでの円高の影響はわずかな程度にすぎなかった。確かに自動車、電子製品など一部の市場では韓国メーカーが台頭し、日本メーカーがシェアを減らすことはあった。
両国は多くの産業で競争し、ウォン相場の動きをアジア通貨の中で最も大きく左右するのは円だ。
しかしIMFの研究者らは、08〜12年に韓国がシェアを拡大したのが主に中国と東南アジアだったことを突き止めた。いずれの市場でも、日本の輸出シェアは横ばいだった。
これらの領域で日本と韓国が相互補完的な関係にあることも明らかになった。科学技術関連や専門性の高い製品の生産に必要な中間財を、一方が他方から買い付けている。
IMFは、韓国の輸出がウォン・円相場に影響を受ける度合いも1990年代後半と比較して約半分に低下したと述べた。
また韓国と日本の成長分野は異なるという。
例えば情報技術(IT)では、日本がシステム・オン・チップやゲーム機に強くなった一方、韓国はスマートフォン、半導体メモリ、液晶ディスプレー(LCD)に活路を見いだしている。
韓国企業はコストを引き下げるために中国などへ生産拠点を移したり、先進国に近い地域での製造に乗り出したりしている。
IMFによると、韓国自動車メーカーの海外生産の割合は08年に38%だったが、12年には73%となった。スマートフォンメーカーに至っては、この割合が同じ期間に16%から80%へ伸びた。
さらには、韓国企業がいくつかの産業で日本のサプライヤーに頼る構図ができているという。
特に半導体やLCDの製造には日本製の精密部品が必要とされている。
この面で、韓国における円安の影響が緩和されるかもしれない。
日本から部品の供給を受ける韓国企業にとっては輸入コストが低下する。
韓国の輸送機器メーカーは、総輸出額の6.8%に相当する中間財を日本から輸入している。この割合は米国メーカー(2.5%)やドイツメーカー(1.2%)より高い。
実際のところ、今年に入ってからは円がウォンに対して上昇している。
それでも円がウォンに対して下落する潮流が続けば、韓国企業が数年以内に市場シェアを部分的に失う可能性は当然あり得る。
日本企業はスマートフォンなどの分野で積極的に攻勢をかけてくるかもしれない。
だがアジアの複雑化するサプライチェーンを踏まえると、ある国の通貨安が過去に見られたほどの輸出競争力の変化につながるとは考えづらい。