2014.11.13 07:04更新
【石平のChina Watch】
首脳会談で敗者となった習主席
http://www.sankei.com/column/news/141113/clm1411130004-n1.html
北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で安倍晋三首相との初の首脳会談に臨んだ習近平国家主席の態度は異様なものだった。こわばった表情はホスト役としていかにも不自然で、笑顔の安倍首相に挨拶の言葉をかけられても反応すらしなかった。
余裕のある安倍首相の自然体と比べれば、習主席の態度は稚拙そのものだ。国際会議の晴れ舞台で「自信満々の大国指導者」を演じていたはずの彼が何ゆえにこんな失態を犯したのか。
政権発足以来2年間、習主席はずっと安倍政権と対決路線をとってきた。日本との首脳会談を拒否する一方、国内外においては「安倍叩(たた)き」を進め、「極右分子・危険な軍国主義者」などの汚い罵倒を安倍首相に浴びせた。そして尖閣周辺の海域と空域では日本に対する挑発行為をエスカレートさせている。
一方の安倍首相はその間、一心不乱に中国包囲網の構築を目指すアジア外交を精力的に展開した。日米同盟を強化した上、東南アジア諸国との連携を進め、あらゆる国際会議の場を借りて「力の支配」を企(たくら)む中国に対する批判と牽制(けんせい)を行った。
その結果、アジアで孤立を深めたのは中国の方であった。一時にはベトナムとフィリピンが反中国の急先鋒(せんぽう)となってしまい、ASEAN諸国の大半も安倍首相の中国批判に同調する方へ傾いた。気がついたら、習主席のアジア外交は袋小路に入っていた。
習主席は何とか劣勢をはね返して外交を立て直そうとし、中国が議長国を務めるAPECが最大のチャンスとみて着々と動き出した。まずはベトナムとの対立を緩和させ、フィリピンとの領土紛争も一時的に休戦させた。経済援助を手段に一部のアジア諸国を手なずけた。準備万端整えた上で習主席はAPECの大舞台に立ったのである。
しかし彼には心配事があった。安倍首相の出方だ。中国が招かなくても、安倍首相が国際会議参加のために北京にやってくる。そしてもし、安倍首相がこの重要会議において相変わらずの中国批判を展開していたら、中国にとっての晴れ舞台が台無しになってしまう。会議を利用してアジア外交を立て直そうとする習主席の企みは、ご破算になりかねない。
中国は結局、安倍首相を「野放し」にするようなことはできなかった。そのためには首脳会談に応じる以外にない。もちろん中国はそう簡単に折れたくはない。「領土問題の存在を認める」「靖国は参拝しない」という2つの条件を日本側に突きつけた。
しかし、安倍首相は最後までそれを拒否した。窮地に立たされたのは習主席の方である。そしてAPEC開催の3日前、日中間でようやく4項目の「合意文書」が交わされた。もちろんそこには「靖国」のやの字も入っていないし、日本が認めたとされる「異なる見解」は決して「領土問題」を指していないことは一目瞭然だ。つまり中国は、日本側に突きつけた2つの「条件」を自ら取り下げて首脳会談に応じた。
こういうことを強く意識しているからこそ、安倍首相との会談の冒頭、習主席は自らの悔しさを覆い隠すために、条件を引き下げたことを国民の目からごまかすために、わざと無礼な態度をとって虚勢を張るしかなかった。その瞬間、習主席は文字通りの敗者となった。

習主席にとっての問題はむしろこれからだ。「靖国不参拝」を約束しなかった安倍首相はいつでも参拝できるが、首脳会談に踏み切った習主席にしては、安倍首相に「参拝されたら」大変なことになる。今後、安倍首相に気を使わなければならないのは習主席の方だ。安倍首相を怒らせるようなことはそう簡単にできなくなる。首脳会談後の日中関係で優位に立つのは、結局安倍首相の方ではないか。
だからこんな弱々しい抗議しかできないw
岸田外相発言に中国大使館反発
11月12日 21時13分
岸田外務大臣が11日、先に日中両政府が発表した両国関係の改善に向けた「合意文書」に関連して、「沖縄県の尖閣諸島を巡る領有権問題は存在しないというわが国の立場は全く変わっていない」などと述べたことについて、東京の中国大使館は「厳重な関心と不満を表す」とするコメントを発表し、強く反発しています。
政府は先週、中国政府との合意文書を発表し、この中に「双方は、尖閣諸島など、東シナ海の海域で、近年、緊張状態が生じていることについて異なる見解を有している」という表現が盛り込まれました。
これについて岸田大臣は、11日の記者会見で、「尖閣諸島を巡る領有権問題は存在しないというわが国の立場は全く変わっていない。東シナ海では、中国による防空識別圏の設定や海底資源の掘削など、さまざまな緊張状態があり、それらについて、『異なる見解がある』と書いてあるだけだ」と述べ、日本側が譲歩したものではないという認識を示しました。
これに対して東京の中国大使館は12日、「厳重な関心と不満を表す。双方が発表した4つの原則的な共通認識の中身と精神ははっきりとしている。日本側が歴史と事実を直視し、約束を守り、共通認識の精神に基づいて中国側と向かい合って行動し、島の問題で言動を慎み、中国の領土主権を損害するすべての行為を中止するよう要請する」とするコメントをホームページで発表し、強く反発しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141112/k10013156531000.html