不況のあおりで韓国財界は五輪にカネを出し渋り 「投資価値は高くない」と本音も そり競技場でも問題が…
新設競技場の工事遅延や財政難など難問山積で、韓国内にも「失敗論」が根強い2018年2月開催の平昌五輪だが、国際オリンピック委員会 (IOC)調整委員会の視察でも問題が根本的に解決されていない現状が改めて浮き彫りにされた。3月14~16日にそり競技を実施するスライディングセン ターが視察された。工事関係者が自信をのぞかせた氷質は天気によって影響を受けるとされ、改善が求められた。5日のテスト走行は冷却ポンプの異常で失敗に 終わった。さらに難航するスポンサー契約に対し、調整委は「予想値の7割水準まで達成できた」と順調との認識を示したが、財界関係者は「投資価値が高くな い」とバッサリ。別の関係者は本番まで2年を切るのに進捗度が「時期的に遅い感じ」と揶揄した。
韓国初のそり競技場として13年12月に 着工されたスライディングセンター。工程率は現在67%だが、新設競技場の中で最も高いとされる。事業費は当初より150%に上る1228億ウォン(約 110億円)にまで拡大。これだけの巨費を投じながら、五輪後の活用度が最も低いとされる。計画では冬季は選手の調整施設、夏季は冒険レジャースポーツ施 設として活用されるという。
中央日報によると、韓国開発研究院は、新設6施設の年間運営費は200億ウォンを超えるのに対し、運営収益は100億ウォンに留まり、不足分の 100億ウォンを国民の税金で穴埋めしなければならないと予想した。そのため、昨年には経費削減の視点から、そり競技の分散開催が議論されたほどだ。
いわく付きの施設だが、IOC調整委員会が視察。記者会見したグラニ・リンドバーグ委員長は「各方面で十分に準備しており、(今年)10月の認証には問題 ないと思う」と述べた。これを受けて、聯合ニュースなどは「そり競技場の認証に問題なし」と題し、“お墨付き”を得たと報じた。
朝鮮日報 によると、これに先立つ3月5日に、五輪組織委員会や国際ボブスレー・スケルトン連盟、国際リュージュ連盟などは整氷が安定的でテスト区間の氷質に問題は ないとしていた。その一方で、天気が氷質の維持に影響を与える点などを改善する必要があると指摘しており、調整委も「氷質の維持で不十分な点が見つかっ た」と追認する形となった。
コリア・タイムスによると、工事関係者は試合が終了するたびに整氷しなくても「氷の強度が優れ、氷質は非常にいい」と語っていたが、信憑性が疑わしくなった。
調整委はスポンサー契約にも言及。「70%」の水準が達成できたとの認識を示した。五輪組織委はスポンサー契約で運営費の一部である8500億ウォンを賄うと計画。15年までに70%を達成する目標を掲げていたが、57%に留まっていた。
背景にはロッテ・グルーブのスポンサー契約の動きがあった。news1によると、五輪組織委関係者はロッテ・グループとの交渉が進み「IOCの パートナーシップと重ならない方向でスポンサー契約が締結される予定だ」と述べた。組織委はスポンサー企業の契約が滞り、経済的に困窮しているとされ、 ロッテとの契約によって、目標の70%に辛うじて届くと予想しているという。
3月17日に締結された支援額は600億ウォン。中央日報は、韓国スキー協会長でもあるロッテグループ会長の「積極的な五輪支援方針によるものだ」と論評した。
今後の契約に関しては難航が予想される。news1によると、財界人が1988年ソウル五輪の時よりも企業投資が消極的とする。五輪の舞台がソウルなどの首都圏から遠く、「投資価値が高くないと判断に基づいて、企業が気軽に出ていない」と沈滞ムードの状況を説明した。
さらに別の関係者の話として、資金を融通する金融機関が含まれていないことが組織委の経済的な困窮の要因と指摘したうえで「大会がすでに2年前に近づいているのにスポンサーシップ締結が時期的に遅い感じがする」と遅延を疑問視した。
このままいくと「着々と韓国の評判を下げるための準備を進めているとしか思えない」という韓国ネットユーザーの懸念が現実化しそうだ。