ところで先生を意味する韓国語「ススン」は、漢字で書くと「師匠」。ハングル創製をはじめとする偉大な功績を数多く残し、今なお韓国で国民的尊敬を集める世宗大王と関連しているあたりが、何とも韓国人の「先生(師匠)観」を感じさせます。
毎年恒例、この日だけのちょっと特別な登校風景
5月15日早朝、韓国の街頭では、いつもの手提げかばんにプラスして、花やプレゼントを手にした子どもたちの姿をあちこちで見かけます。通学路にある文房
具屋の軒先は、一日だけの即席花屋に様変わり!きれいにラッピングされた一輪の花は、お小遣いで買ったのでしょうか?中にはお母さんに持たされたのか、豪
華な花かごや贈り物の袋を抱えた子もいます。
贈り物事情をチェック!選ぶポイントは「実用性」立
派な先生は、わが子の将来を決定付ける人生の羅針盤のような存在です」―やや大げさにも聞こえるこちらの言葉は、韓国のあるインターネットショッピングサ
イトの「先生の日」特集のうたい文句。例年この時期になると、大型スーパーや百貨店には「先生の日」用の贈り物として様々な商品が並びます。人気上位に上
がっている品物をチェックしてみましょう。
女性の先生への贈り物人気NO.1は化粧品・香水 10~15万ウォン台の
アクセサリーも売れ筋 男性の先生には実用的な財布やベルトが人気
最も手軽かつポピュラーな花
気持ちのこもった手紙やカードは基本 お酒が飲める先生にワイン
ファッション系ギフトではネクタイ
商品券は人気NO.2
年配の教授には高麗人参
こうして見てみると、全体的に実用的な贈り物が目立ちますが、やっぱり気になるのはそのお値段。大学や大学院など高等教育機関では、贈り物も高級化する傾
向があるとか。驚いたことに、10万ウォン(約1万円)以上の高価な商品を贈る場合もあるようです。このような贈り物合戦が毎年繰り返される韓国。わが子
のためなら、と財布を開く保護者はもちろん、贈られる先生でさえ重荷に感じるほどの加熱ぶりです。
切っても切れない「寸志問題」の現状
韓国の学歴志向は日本に勝るとも劣らず、直接わが子の指導にあたる教師への期待も大きいものです。そうした期待が最高潮に達するのが「先生の日」。韓国に
は「寸志(チョンジ:頼み事をする時にお金などを渡すこと)」という、いわゆる「賄賂」を渡す風習があり、深刻な社会問題となっています。そのため保護者
が学校を訪れることができないよう学期が終了する2月に「先生の日」を移そうという意見もありますが、一般的なのは「先生の日」を休校にする方法。近年休
校数は減少しましたが、2006年のピーク時には全国の小・中・高校の約70%で休校措置が取られるほどでした。
本来の意味取り戻す意識が必要
賄賂同然の高価な贈り物に寸志、そして休校措置まで…。保護者の負担もさることながら、社会的な信用失墜を招いている、と現職教師も頭が痛いのが現状で
す。先生とは単に学問だけでなく、社会に出るための様々な知恵と知識を、時に優しく時には厳しく教えてくれる存在。毎日お世話になっている先生や、人生に
影響を与えてくれたかつての恩師に感謝するという、本来の意味をいま一度考え直し、取り戻そうとする意識と行動が急がれているのではないでしょうか。

先生の日は恐ろしいです。
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