【韓国経済】ごまかしの銀行BIS比率
金融監督院は22日、持株会社の傘下にある韓国の4大銀行のうち、ウリ銀行を除く国民、新韓、ハナの3行について、昨年末時点での国際決済銀行(BIS)自己資本比率が金融監督院の勧告値である12%を超えた、と発表¥した。
また1年前(2007年末)に比べてもBISは高くなっていた。しかしこの期間に、これら各行の親会社である金融持ち株各社のBIS比率は、ほとんどが下落していた。
持ち株各社のBIS比率が低下したのは、昨年下半期に子会社である銀行の資本を増強するため、
一部の持ち株会社が債券を発行して資金を調達したのが原因とされる。債券を発行すればそれだけリスクが増加し、その分BIS比率が下落することになる。
要するに子会社である銀行を生かすために、親会社である持ち株会社がその負担を抱え込んでいることになる。
そのため金融市場では、「銀行のBIS比率がアップしても、表¥面的なものに過ぎない」と指摘されている。
◆KB・ウリ・ハナ持ち株はBIS比率が下落
国民銀行の親会社として昨年9月に発足した持ち株会社「KB金融」は、昨年末の時点でBIS比率が11.3%だったと推定されている。
1年前の2007年末には国民銀行がKB金融の役割を果たしていた。そのため当時の国民銀行のBIS比率(12.62%)と昨年のKB金融のBIS比率を比較すると、KB金融のBIS比率の方が1年で1.32%低下していた。
ハナ銀行は昨年1年間にBIS比率が11.75%から13.27%に改善したが、持ち株会社の「ハナ金融」は同じ期間に1.84%下落した。
ウリ銀行は1年で0.03%の下落にとどまったが、持ち株会社の「ウリ金融」はBIS比率が0.8%も下落した。
新韓持ち株と新韓銀行のBIS比率はどちらも改善した。
しかし、新韓持ち株も銀行に対する金融監督院の勧告値である12%は超えられなかった。
◆持ち株会社が債券を発行して銀行の資本を調達
このように各グループのBIS比率をみると、銀行では改善しているのに対し、
持ち株会社では低下していることが分かる。
その理由は、昨年後半に持ち株会社が先を争って債権を発行し、子会社である銀行の資本増強を相次いで行ったからだ。
金融監督院が銀行の財務の健全性ばかりを強調し、持ち株会社には注意を払わなかったため、銀行が裏の手口を使ったということだ。
持ち株会社が債券の発行を通じて調達した資金は、銀行の資本として投入された後に融資として出ていく。
そのため銀行としては、資本も融資額も増えるため影響はない。
しかし金融グループ全体(持ち株会社)からすれば、資本はそのままで融資だけが増えるため、
BIS比率は低下することになる。
ハナ金融は昨年12月に1兆5000億ウォン(約943億円)の債券を発行し、ハナ銀行の増資に投入した。
これは持ち株会社が発足してから最初の債券発行となった。
KB金融も5000億ウォン(約314億円)の債券を発行し、国民銀行の資本を増強した。
ウリ金融も債券の発行により調達した7000億ウォン(約440億円)の資金をウリ銀行の資本増強に用いた。
ある持ち株会社の関係者は
「子会社である銀行からは配当を受け取ることになる。
これを債券の利子に充てれば、持ち株会社が債券を発行しても何ら問題はない」 と述べた。
◆金融グループ全体のリスクを見過ごす可能¥性も
しかしこのままでは金融グループ全体のリスクを見過ごす可能¥性があるため、
専門家は銀行のBIS比率ばかりに気を取られてはならない、と警告する。
米国では金融グループ全体のリスクの程度を把握するため、監督当局は銀行だけでなく持ち株会社のBIS比率や負債比率などもチェックしている。
実際に米国政府は、7000億ドル(約66兆円)の救済金融である不良資産救済プログラム(TARP)を
推進しているが、ここでは持ち株会社のBIS比率も調査対象とし、結局は銀行ではなく持ち株会社に
公的資金を投入した。
金融研究院金融会社経営研究室のキム・ドンファン室長は、
「持ち株会社の健全性は子会社に影響を及ぼすことも考えられる。
そのため金融グループ全体を監督する確固たるシステムを構¥築する必要があるだろう」 と述べた。
■BIS自己資本比率
世界各国の金融機関における財務の健全性を調査する目的で、1988年から国際決済銀行(BIS)が導入している指標。
銀行は融資や支払い保証など、リスクのある資産を保有している。
これを銀行の自己資本で割って算出し、パーセントで表¥示する。
一般的にBIS比率が10%以上であれば優良銀行と評価される。