読売新聞
小沢代表¥会見
疑惑はまだ晴れていない(3月5日付・読売社説)
秘書は、やはり違法性を認識しながら、企業献金を受け取っていたのではないか。約40分に及んだ民主党の小沢代表¥の記者会見で、その疑惑は最後まで晴れなかった。
逮捕された小沢代表¥の公設第1秘書の容疑は、実際は西松建設からの企業献金と知りつつ、同社関連の2政治団体からの寄付として、政治資金規正法に違反する帳簿上の処理をしていたことだ。
小沢代表¥は会見で、「政治団体が寄付するというので、資金管理団体で受領した。企業献金なら政党支部で受領すれば何の問題も起きなかった」と反論した。
企業献金と認識していなかったため、企業献金を受領できる政党支部でなく、資金管理団体で受け取った、という理屈だ。一見、つじつまが合っているようだが、そうとは言い切れない。
そもそも西松建設は、企業献金を隠したい意図があり、政治団体を利用していた。小沢代表¥側が、同社と相談したうえで、政治資金収支報告書の体裁を整えた可能¥性もあるからだ。
小沢代表¥の発言には、その可能¥性を否定する材料がない。献金の出所についても、「そうした詮索(せんさく)をすることはない」「知るすべがない」と語るばかりで、具体的な説明は一切なかった。
確かに、政治家本人が数多くの政治献金を一件ずつ点検するのは無理としても、秘書は献金者の身元や政治家との関係を把握するのが仕事だ。そして、秘書の仕事の最終責任は政治家にある。
小沢代表¥側と西松建設は、どんな関係にあったのか。毎年の献金の経緯はどうだったのか。小沢代表¥は、こうした未解明の疑問について、引き続き国民の前で、より丁寧に説明すべきだ。
一方で、小沢代表¥は、「政治的にも法律的にも、非常に不公正な国家権力、検察権力の行使だ」などと検察批判を展開した。
西松建設の政治団体の献金先には多数の与野党議員がいるのに、自分だけが強制捜査されたことなどに対する反発だろう。だが、小沢代表¥側への献金額が突出していた事実は否定できない。
今回の事件は、次期衆院選で政権奪取を目指す民主党にとって、痛烈な打撃となった。今後の国会や政局に与える影響も大きい。
そうであればこそ、民主党は、「政権の仕組んだ陰謀」といった批判に終始すべきではあるまい。国民の信頼回復に向け、党独自の調査の実施など、事実関係を明らかにする努力が求められよう。
(2009年3月5日01時55分 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090304-OYT1T01126.htm朝日新聞
西松事件―¥小沢代表¥は退路を断った
公設第1秘書の逮捕から一夜明けたきのう、民主党の小沢代表¥が記者会見し、検察の捜査に強く反論した。
逮捕容疑は、西松建設からの献金であることを知りながら、企業献金が禁じられている小沢氏個人の資金管理団体で受け取り、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたというものだ。
小沢氏は「政治団体からの寄付という認識だったから、資金管理団体で受領したと報告を受けている」「政治資金規正法に忠実にのっとって報告し、オープンになっている」と語り、違法性を強く否定した。
小沢氏の資金管理団体は、03年から06年にかけて二つの団体から計2100万円の献金を受けていた。同じ政治団体からの自民党議員への献金などに比べて突出した大きな額だ。
多額の献金の背景をどうチェックしていたかについては、「一般的にお金がどういうところから出ているのか詮索(せんさく)しない。献金してくれるみなさんの善意を信じている」とかわした。
そればかりではない。40分あまりの会見で、検察の捜査を「従来のやり方を超えた異常な手法。政治的にも法律的にも不公正だ」と断じ、「民主主義を危うくする」とまで述べた。
だが、これでだれもが納得できるだろうか。この政治団体が西松建設の名前を隠すためのダミーであることを、秘書は本当に知らなかったのか。これだけ多額の献金を受けながら、小沢氏が団体の内実について秘書と話さなかったというのは不自然ではないか。
ゼネコン各社が激しく公共事業の受注合戦を繰り広げる中、西松側に便宜を図ってほしいという意図があったことは容易に想像がつく。
公共事業への影響力をもとに政治資金を集めるという手法は、日本政治に長く巣くってきた。法に基づいて形式的には万全な処理をしているから問題はないという小沢氏の説明は、あまりに実態とかけ離れていないか。
小沢氏だけでなく、民主党内には衆院の解散・総選挙を前にした政治的狙いが込められた捜査ではないかという声がある。確かにこの事件が民主党だけでなく、日本の政治情勢全体に与える影響はとてつもなく大きい。
検察当局もこれを意識したはずだ。有力な証拠がなければ、捜査着手はできなかっただろう。政局の行方に直接かかわるだけに、国民も捜査の行方を厳しく見つめていくことになる。
民主党は、政官業の不透明な関係に支えられた自民党的な利権構¥造を厳しく批判してきた。ところが小沢氏の会見では、自分自身とゼネコンとのかかわりについては、一言もなかった。
小沢氏は退路を断った。今後の捜査で説明と矛盾する事実が明らかになれば、小沢氏の政治生命にも跳ね返ってきかねない。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
日本経済新聞
社説2 小沢氏の説明は説得力あるか(3/5)
民主党の小沢一郎代表¥が記者会見し、西松建設からの資金提供をめぐって政治資金管理団体の会計責任者である公設第一秘書が逮捕されたことについて「何らやましいことはない」と述べ、民主党代表¥を辞任する考えのないことを強調した。潔白を主張する小沢氏の説明にはいくつかの疑問点もあり、国会の政治倫理審査会などの場でさらに説明を尽くすべきである。
小沢氏秘書の逮捕容疑は2003年から06年にかけて西松建設から2100万円の献金を受けたにもかかわらず、政治資金収支報告書に西松建設関連の政治団体からの寄付として虚偽記載をした疑い。秘書の不正が事実なら小沢氏も監督責任を免れない。これについて小沢氏は「政治団体からの寄付という認識だから資金管理団体で受領した。当たり前の話だ。企業献金なら政党支部で処理すれば何の問題もない」と説明した。
理屈ではそう説明することも可能¥だが、多額の寄付を小沢氏秘書が西松建設からだと認識していなかったという説明は説得力に欠ける。小沢氏は「西松建設に便宜を供与したことは一切ない」と強調したが、なぜ西松建設が長年、小沢氏側に多額の献金を続けていたかについての説明もほとんどなかった。
今回の秘書逮捕で民主党が受けたダメージは極めて大きい。小沢氏は捜査のあり方について「異常な手法だ。衆院選が取りざたされているこの時期に不公正な国家権力、検察権力の行使という感じをもった」と強く批判した。
「なぜ、この時期に自分だけが」という気持ちは分からないではないが、小沢氏のような有力政治家が口にすべき言葉かどうか疑問である。今後の捜査で小沢氏の説明と食い違う事実が明らかになれば、小沢氏はのっぴきならない立場に追い込まれることになる。
捜査当局の責任も重大である。西松建設関連の政治団体の献金は与党の有力議員にも行われている。捜査の手は与党議員側にも及ぶのか。捜査の範囲が小沢氏側だけだとするなら、小沢氏側に特別に違法性が強いとする理由は何なのか。こうした国民の抱く疑問に応えるような厳正・公正な捜査を強く望みたい。
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090304AS1K0400104032009.html
毎日新聞
社説:小沢氏記者会見
これでは国民は納得しない
準大手ゼネコン・西松建設の裏金事件に絡み、公設第1秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された小沢一郎・民主党代表¥が4日、記者会見した。小沢氏は「何らやましい点はない」と容疑を全面否定、東京地検による捜査を強く批判し、自らの代表¥辞任についても否定した。
捜査当局との全面対決となった小沢氏だが、多額の政治献金の背景について「せんさくしない」と語るなど説明は説得力を欠き、疑惑を払しょくしたとは言えない。政権の担い手を目指す民主党にとって、危機管理能¥力が試される極めて重大な局面である。
小沢氏秘書は西松建設から2100万円の献金を受けながら同社OBを代表¥とする二つの政治団体からの献金を装い、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとの容疑で逮捕された。
小沢氏が会見で強調したのは捜査手法への批判と、献金は適法との主張だ。「衆院選が取りざたされる時期に非常に不公正な国家権力、検察権力の行使だ。民主主義を大変危うくする」との表¥現まで使い、恣意(しい)的捜査だと批判した。秘書に確認したところ西松からの献金との認識はなく、政治団体からの献金として処理したと説明した。
秘書逮捕を踏まえ小沢氏が会見し説明したのは当然だが、この内容では納得できない。「2100万円の献金を受けた背景は調べないのか」と問われ「一般的に献金について、どういうところから出ているかはせんさくしない」と答えた。小口献金ならともかく、金額の多さを考えた場合、あまりに不自然ではないか。献金を受領した経緯について小沢氏側はより、詳細に説明する責任がある。
また、小沢氏は「この種の問題で今まで、逮捕、強制捜査をした例は全くなかったと思う」とも語った。確かに企業献金か政治団体献金かの認識をめぐる容疑での強制捜査は異例だが、政治資金収支報告書への虚偽記入をめぐっては03年に自民党の坂井隆憲衆院議員(当時)や秘書が逮捕されたケースなどもある。あくまで十¥分な容疑があるとの前提だが、単に衆院選前だからといって捜査を不公正と断じるにはあたるまい。
「結果的にゼネコンから非常に多額の資金が出た」と問われ、「献金はどこから受けても構¥わない」と強調したが、違和感をぬぐえない。自民党政治との決別を掲げる小沢氏が秘書とはいえゼネコンとの関係で疑惑の渦中に身を置くこと自体、深刻だ。その認識が、どこか希薄ではないか。
小沢氏の対決路線を民主党は了承した。仮に捜査過程で小沢氏の主張が覆れば、同氏のみならず党が被る打撃ははかりしれないものとなろう。衆院選を控えどう、事態を収拾するか。自浄能¥力を発揮できなくては、国民の政治不信を強めるばかりである。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090305k0000m070139000c.html
産経新聞
【主張】小沢代表¥会見 民主党に自浄努力求める
2009.3.5 02:49
このニュースのトピックス:民主・小沢一郎代表¥秘書逮捕準大手ゼネコン「西松建設」からの献金疑惑で、公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢一郎代表¥が記者会見し、献金の正当性を強調して、代表¥を辞任しない意向を表¥明した。会見は、「不公正な国家権力の行使」と検察捜査への批判に重点が置かれ、西松建設との関係など肝心の点は説明が不十¥分だった。
自らに降りかかった疑惑を晴らすには至っていない。
政治資金収支報告書によると、平成18年までの12年間に、西松建設側から2つの政治団体を通じて与野党の国会議員側に、約4億8000万円が渡っている。いずれも政治献金やパーティー券購入などで、このうち2億円近くが小沢氏側へのものだった。
小沢氏の会見は、こうした巨額の資金がなぜ継続的に提供されたのか、という素朴な疑問に答えるものではなかった。2億円近くの資金の提供者が、どこのだれだか知らないといったような説明は、国民の一般常識では理解できないだろう。
事件の容疑は、西松建設側が新政治問題研究会など2つのダミーの政治団体を通じ、小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」に資金提供していたというものだ。逮捕された大久保隆規容疑者は陸山会の会計責任者で、焦点は、小沢氏側が資金の提供元を西松建設と認識していたかどうかにある。
4日には、岩手県奥州市の政党支部や小沢氏の事務所など関係先が地検の家宅捜索を受けた。西松建設と陸山会との関係についてさらなる解明を求めたい。
小沢氏は会見で「西松建設そのものからの企業献金との認識に立っていれば、(企業献金を受けられる)政党支部で受領すれば何の問題も起きなかった」とした。それなら、新政治問題研究会などの団体を、どういう性格のものと考えていたのか説明をすべきだ。
「どこから持ってきたカネだとか詮索(せんさく)しないのが大多数だ」「献金してくださる皆さんの善意を信じるのが一般常識だ」と、小沢氏は主張する。これでは、疑惑がさらに強まらざるを得ない。
小沢氏は「この種の問題で逮捕というのは民主主義を危うくする」とし、党執行部も「政治的意図を疑う」と同調している。政府側は「国民に説明する言葉か」(河村建夫官房長官)と反論した。民主党には自ら疑惑を解明するなどの自浄努力を求めたい。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090305/crm0903050249005-n1.htm
批判一色、火だるまだ...。
まぁ、こんなところかな。 ^ ^