「韓国人は『知っていること』に挑戦しない…閉じ込められた状態ではノーベル賞は期待できず」
2017年08月12日11時21分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment0
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ミシガン州立大生理学科のロバート・ルート・バーンスタイン教授は「創意性のある子どもを育てるには、子どもたちが楽しくできることを探す必要がある」と強調した。(写真=中央フォト)
今後、国家的談論と日常的対話で創意性は「不可欠」になるだろう。創意性が雇用を創り出して経済を支える。人工知能(AI)の挑戦の前に風前の灯火に立たされている人類が信頼できるのは創意性しかない。「創意性を育てる」という時代的話題に応えられない国家や個人は今後、大きな困難を強いられることになるだろう。学者ロバート・ルート・バーンスタイン氏とミシェル・ルート・バーンスタイン氏夫婦は我々にとって創意性の伝導師、創造力のグル(guru)だ。韓国語翻訳本が2007年に出版された『思考の誕生』は韓国読書界に新鮮な刺激を与えた。最近、ハングル版が出版された『DISCOVERING: Inventing Solving Problems at the Frontiers of Scientific Knowledge』の原書は1989年に出版された。韓国ではその後続作が先に出版されたわけだ。ミシガン州立大のロバート・ルート・バーンスタイン教授と3日、電話インタビューを行った。
--『DISCOVERING』の反応は?
「『この本が私の人生を変えた』という手紙と電子メールはいまだ届いている」
--『DISCOVERING』に出る原則を日常生活にも適用することができるか。
「そうだ。私の友人は、オーブンが壊れ、『DISCOVERING』を読んでオーブンを直すことに成功した。彼は科学や工学について何も知らなかった。『DISCOVERING』は日常生活にも応用することができる」
--創意性に対する最も大きな誤解があれば?
「個人が生まれる時から創意的であるか、創意的でないかのうち一つという考えだ。創意性は学ぶことができる。訓練するほどより創意的になる。朝起きて突然良いアイデアが思い浮かぶわけではない。発明家トーマス・エジソンが話したように『天才は1%の才能と99%の努力によって成り立つ』と言える」
--発見や発明の方法論は様々だ。共通分母があれば?
「子どものように遊ぶのが好きで、茶目っ気が多いことだ。偉大な科学者の大部分が自身を『子どものようだ』と表現した。子どものようになってこそ自然現象を直接的に体験することができる」
--創意を要求するこの時代で小学生に必要なのは何か。
「最初に、子どもたちが楽しくできることを見つけなければならない。第二に、直接体験しなければならない。例えば生物学者になるためには、花であれ葉であれ昆虫であれ直接収集する必要がある。天文学者になるためには、望遠鏡で空を直接観察しなければならない。本で習った内容は、それを現実と結びつける前まで何の意味もない。我々の教育の問題は本の勉強にあまりにも多い時間を注ぎながら、現実を直接体験するのには十分な時間を与えないということだ」
--暗記と創意性はどんな関係あるのか。一部の学者は暗記の肯定的な面もあると指摘している。
「そうだ。その例は九九だ。数学を活用する人は九九を覚える必要がある。暗記はすべての知識分野に役立つ。何かを暗記していれば、それだけ情報をよりよく活用することができる。問題はバランスだ。暗記と暗記した内容の創意的な活用のバランスが大事だ」
--自我が強いのも科学発見に重要なのか。
「そうだ。基本的にすべての発見は『予期せぬ驚き』(unexpected surprise)だ。新しい発見をしても多数の科学者は『あなたは狂った』『間違いだ』『あなたは何も見つけたものがない』という風に言われる。忍耐して人々を説得するためには強い自我が必要だ」
--新しい発見・発明をするために必要な科学と工学の方法論は同じだろうか。
「違う。科学は自然を作動させる基本原則を理解しようとする試みだ。工学は科学が発見した原則を応用する。科学と違い、工学はおおむね『予期せぬ驚き』を期待しない」
--工場の組み立てラインから物が出てくるように科学発見をするのが可能だろうか。
「科学に組み立てラインのような方法を試みた人々はほぼ失敗した。だが、発見が起こる基本的な環境を作ることはできる。例えば、研究者に事物を探求する自由、既存の考えに挑戦する自由を与えることだ」
--韓国人の創意性にはどのような問題があるか。なぜ科学分野のノーベル賞受賞者が出ないのだろうか。
「2つのことが言える。最初に、韓国人は多くのことを知っているが『我々が知っていると考えること』異議を唱えて挑戦しない。ほとんどすべての偉大な発見と発明は、基本前提に挑戦して『我々が知っていると考えること」を逆にひっくり返す。挑戦する方法を学ぶのは難しい。恐ろしいことでもある。第二に、多くの発見者・発明者は『ポリマス(polymath、博学者)』だ。ポリマスは2つ以上の分野について専門的な訓練を受けた人だ。彼らは、例えば一分野の問題を第2、第3の分野の技法や知識を結びつけて解決する。多方面に知識がなければ発見・発明はない。韓国人は単一の専門分野に閉じ込められている。閉じ込められた状態では他の人と全く同じことを考えるようになる」
--人工知能(AI)の発展が革命的な変化をもたらすと考えるか。
「発見には該当しないと考える。発見は『予期せぬ驚き』であるためだ。今まではどのAIプログラムもそのような驚きを見つけることはできなかった。まだ自身のプログラミングに疑問を提起したコンピュータプログラムはなかった」
--「科学者ロボット」が登場するのではないだろうか。
「個人的には希望しない」
--ヘブライ大学のユヴァル・ノア・ハラリ教授を含めて多くの学者が今学校で教えているのは数十年以内に役に立たなくなると主張している。
「そうだ。教育は事実(fact)学習でなく、2つを強調しなければならない。一つは原理(principle)だ。原理は絶対に消えない。ディテールが変わっても原理は変わらない。二つ目は『学び方を学ぶこと』だ。今後『最終学位(terminal degree)』というのは意味がない。一生学ばなければならない」
--『思考の誕生』と『DISCOVERING』の他に創意性を育てるのに役立つ本は?
「この二つの本の後続作が私の妻が使った『Inventing Imaginary Worlds』(原題)だ。多くの創意的な人々は10代の時、『想像の世界』を作り、大人になっても可能な世界を想像して想像と現実の距離を縮めるために努力するという内容の本だ。『Teaching for successful intelligence』 『Psychology 101 1/2: The Unspoken Rules for Success in Academia』などロバート・スタンバーグ氏が書いた本は全部立派だ」
--韓国読者に強調したいことがあれば?
「『DISCOVERING』は発見の戦略を提示する。すべての偉大な科学者は同じ方法を取った。だが、その方法は学校で教える方法ではない。普通の科学の方法の以外に他の方法があるということに気付く必要がある」