金星大気に未知のジェット気流を発見
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と北海道大などの研究チームは29日、金星探査機「あかつき」の観測データから、金星赤道付近の大気の中低層(高度約45~55キロ)で未知のジェット気流を発見したと発表した。論文は28日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。
金星の大気上層(高度約70キロ)では、スーパーローテーションと呼ばれる秒速100メートルの東風が吹いている。一方、分厚い雲に遮られた中低層は観測記録が少なく、比較的均一で遅い風しか吹いていないと考えられてきた。
北大の堀之内武准教授らは、金星の分厚い雲を透視できるあかつきの赤外線カメラを使い、昨年3~8月に中低層の雲を撮影。新たに開発した手法で雲の動きから風速を精密に推定した結果、7、8月ごろ赤道付近に秒速80メートルのジェット気流が生じていることが分かった。
ジェット気流は高緯度地域や昨年3~6月までの観測では生じておらず、一定の期間ごとに出現し、数カ月間続く可能性が高いという。
金星の研究では、スーパーローテーションが発生する仕組みが最大の謎とされる。堀之内准教授は「過去の風速分布と異なる現象が見つかったことで、スーパーローテーションの成因にも示唆が得られる。大きな一歩だ」と話している。