記事入力 : 2018/01/15 09:12
【社説】太極旗と韓国代表選手を政治の道具にするな
韓国政府は9日の南北高官級協議で北朝鮮に対し、平昌冬季オリンピックの開会式と閉会式に南北が共同で入場することと、女子アイスホッケーでの単一チームを提案した。
これらの提案に北朝鮮も国際オリンピック委員会(IOC)も前向きな反応を示していることから、いずれも実現する可能性が高い。
韓国文化体育観光部(省に相当)は「単一チームになった場合でも、これまでの韓国代表選手23人に北朝鮮選手が加わるプラスアルファの形になれば、韓国選手たちが被害を受けることはない」と説明している。
しかし試合にエントリーできる選手の数は22人と決まっており、これを勝手に増やすことはできない。そのため最終的には22人の中に北朝鮮選手が入った数だけ韓国選手は落とされる。オリンピックに出場するため必死の努力を続けてきた選手たちにとってはまさに青天のへきれきだ。
女子アイスホッケーの単一チームは昨年6月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最初に言い出した。過去に卓球とサッカーで単一チームが実現したことはあるが、これらは2年間に22回も交渉を重ねてやっと実現した。ところが今は大会が始まるまでもう1カ月も残されていない。わずか1分の間に選手たちが激しく出入りするアイスホッケーには組織力が何よりも重要だ。韓国選手たちは体力と技術面でのハンディを乗り越えるためチームワークの向上に力を入れてきた。そのかいあって韓国は過去0-10で敗れたことのある日本に対し、オリンピックで初勝利することも視野に入ってきた。ところがここに北朝鮮選手たちが突然入ってくれば、自慢の組織力は間違いなく崩壊するだろう。
平昌だけを目標にしてきた選手の中には、ピアニストになる夢を諦めた選手、医師になる夢を諦めた選手、さらには国籍を変えた選手もいる。
大学にも実業団にもチームがない種目に関しては、選手の収入は1カ月120万ウォン(約12万6000円)の訓練手当しかない。韓国政府は彼らの汗と夢を勝手に犠牲にできる権限があると考えているのだろうか。
世界中が見守るオリンピックの開会式から太極旗(韓国の国旗)が消え去る可能性も高まっている。
韓国政府関係者は「北朝鮮が、共同の入場行進の際に韓半島(朝鮮半島)旗を使用することを提案してくれば、これに応じる方向で検討を行っている」と明かした。
過去に前例があるとはいえ、今回の平昌オリンピックは韓国が2回の誘致失敗を乗り越えてやっと実現にこぎ着けた地球村最大のイベントだ。
かつてソウル・オリンピックではテロまでして妨害しようとした北朝鮮が、今回は何の努力もしていないのに平昌の開会式から太極旗を消そうとしているのだ。
これに対して韓国側が北朝鮮の提案に応じれば、北朝鮮は核開発を放棄するだろうか。
それどころか北朝鮮は今後も核開発を続けるためにこれらのショーに応じていることくらい、わずかの常識があれば誰でもすぐ分かることだ。北朝鮮は14日、文大統領が新年の辞で非核化に言及したことに対して激しく罵倒し反発した。北朝鮮の楽団は中国公演の際、ミサイル発射の様子を背景に映し出そうとしたため公演が取りやめになったが、その楽団も平昌オリンピックにやって来るという。7年前のIOC総会で平昌の名前が呼ばれた時点で今回のような事態が起こることを誰が予想しただろうか。韓国政府は開会式での太極旗使用と女子アイスホッケーチームを政治に利用し、選手たちを犠牲にするようなことはしてはならない。