記事入力 : 2018/04/13 09:27
【社説】北朝鮮に「1年以内の核廃棄」を求める米国
来月予定されている米朝首脳会談を前に、米国のトランプ政権が「6カ月から1年以内に完全、検証可能、不可逆な形で北朝鮮の全ての核を廃棄する」との方針を明確にしていることがわかった。
リビアでは核廃棄の宣言から実際の廃棄までに13カ月かかったが、トランプ大統領はこれも長いと考えているという。
米国務省報道官は10日「我々は北朝鮮に時間稼ぎを許すような交渉には関心がない」と断言した。
また北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が中国を訪問した際に言及した「段階的かつ同時的措置」についても「そのようなやり方は全て失敗に終わった。大胆な行動を取るべき時だ」と切り捨てた。
過去のジュネーブ合意や9・19合意のようないわゆるサラミ戦術で時間稼ぎを許した結果、北核廃棄は結局竜頭蛇尾に終わった。今回はそのような失敗を繰り返さないという強い意思表明だ。
米国のムニューシン財務長官は議会での証言で「北朝鮮に対する最大限の圧力」について改めて言及し、ポンペオ次期国務長官も「トランプ大統領は過去の失敗を繰り返すことはないだろう」と述べた。
このように今様々な方面でみられる数々のシグナルから考えると、米政府による上記の方針が単なる言葉だけのものでないことは間違いない。
多くの専門家が指摘するように、北核廃棄に向けた交渉で最も重要な鍵は「廃棄完了までの時間」だ。
その時期を事前に決めることができない、あるいは決めてもあまりに遠い先となれば、それは最終的に北朝鮮の術中にはまる可能性が高い。
しかし幸い米国はこの問題を正しく認識しており、北核を最短の期間内、具体的には「6カ月から1年で終わらせる」との方針を固めたようだ。
米国がこのように確固たる方針を示しているにもかかわらず、北朝鮮が従来通りの考えに固執しているのをみると、金正恩氏が今重大な岐路に立たされているのは間違いない。
北朝鮮の対応によっては今後1年以内に北朝鮮が保有する全ての核弾頭を国際原子力機関(IAEA)が確保し、高濃縮ウラン施設を無能力化するのは決して不可能ではない。
時間を短くすれば北朝鮮が本当に核廃棄に応じる気があるのか、あるいはまただまそうとしているのか直ちに、かつ明確にわかるだろう。
トランプ大統領と金正恩氏の首脳会談に向けた準備で今どのような話し合いが行われているか、その内容についてはこれまでのところほとんど伝えられていない。
具体的な時期や場所などいずれも不透明だ。通常の首脳会談と同じく、首脳同士が会う前に事前に双方の実務担当者によって共同声明の文言まで準備される形になるのか、あるいはそのような準備なしに首脳同士が直接交渉するのかさえ現時点ではわからない。
ただ交渉が決裂したといった話も聞こえてこないことから、今はまだ双方が互いの主張を調整し合っているようにもみえる。
トランプ大統領は化学兵器を使用したシリア政府軍にミサイル攻撃を加える考えを重ねて表明している。
中東とロシアを念頭に置いたものだが、それには「金正恩氏に見せる」という意味合いも間違いなくあるはずだ。
そのため金正恩氏がもし今のこの機会を逃してしまえば、再び厳しい制裁と米国の軍事攻撃にさらされてしまうだろう。