深刻な状況を「深刻」と言わない韓国政府

文大統領、危機警報引上げなし「深刻な段階に準じて対応」
中国人の入国禁止にも言及せず
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日、武漢コロナウイルス感染症への対応について「感染病危機警報は警戒段階を維持しているが、実質的には深刻段階に準じて対応している」と発言した。深刻段階は危機警報の中では最もレベルが高い。文大統領はこの日、ソウル青年創業士官学校で開催された内需・消費業界関係者らとの懇談会で「国民と政府が共に力を合わせ、防疫と経済の2匹のうさぎをどちらも捕まえなければならない」とした上で、上記のように述べた。
文大統領はこの日、丁世均首相から武漢コロナ関連の緊急懸案報告を受けた際、新天地大邱教会について「礼拝と葬儀の出席者について徹底した調査が必要だ」との考えを示した。新天地大邱教会の信徒のなかで初めて感染が確認され、韓国で31番目の感染確定者が出席していた今月9日と16日の礼拝、そして先月31日から今月2日まで、慶尚北道清道のテナム病院で開催された教主のイ・マンヒ総会長の兄の葬儀出席者に対する調査にも言及した。
丁首相はこの日、政府中央事故収拾本部拡大会議を主催し「感染者が急増している大邱・清道地域を『感染病特別管理区域』に指定し、特段の措置を取る」との考えを示した。これに伴い、新天地大邱教会の信徒9000人あまりのリストを確保して全数調査を行い、感染が疑われる症状が出ている人については感染検査と自宅隔離の対象として通知することにした。
しかしこの日、大統領と首相のいずれも防疫専門化が求めている中国に対する入国制限措置、危機警報を『深刻』段階に引き上げる問題については指示と言及がなかった。丁首相が大邱・清道を「感染病特別管理地域」に指定したことについては「特別な法的根拠なしに下された措置」との指摘が出ている。
この日、中央事故収拾本部が発表した「診断キット1日1万人分確保」「原因不明の肺炎患者を対象とした1人病室への事前隔離」など追加の対策も、これに先立ち防疫当局が発表したか、あるいは病院がすでに独自で行っているものだ。
医療関係者の間からは「大統領と政府がまだ事態の深刻さを理解していない」との指摘が出ている。匿名を求めた民間のある感染病専門家は「政府は武漢コロナが全国に感染拡大していることへの根本対策を提示せず、防疫失敗の責任を新天地に押しつけようとしているようだ」と指摘した。