こどもの日控え「ニンテンドー戦争」、韓国量販店に1000人行列
韓国では家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の「どうぶつの森エディション」を購入するため、徹夜の行列ができ、高値による転売も相次いでいる。
韓国のこどもの日(5月5日)を控え、子どもへのプレゼントとして購入しようとする両親のほか、新型コロナウイルスのあおりで自宅でゲームを楽しもうという若者も殺到し、大型量販店では朝の開店と同時に数百人が売り場に殺到する光景が見られた。
■どうぶつの森って?
騒動の主人公となったニンテンドースイッチの「どうぶつの森エディション」は、家庭用ゲーム機のニンテンドースイッチにゲームソフト「どうぶつの森」を同梱したパッケージ商品。定価は36万ウォン(約3万1400円)だが、インターネット上ではプレミアムが付き、50万ウォン台で取引されている。なぜそれほどに人気なのか。
「どうぶつの森」シリーズは日本の任天堂が2001年に発売したゲームで、主人公が森の中にある村に家を建てたり、釣りや農作業をしたりして日々を過ごす内容だ。新型コロナウイルスの流行がピークに達した今年3月、任天堂は新作「あつまれ どうぶつの森」を発売し、世界的に大ヒットとなった。市場調査会社スーパーデータが4月22日に発表したリポートによれば、どうぶつの森は3月末に500万セットを売り上げ、家庭用ゲーム機分野でトップとなった。新型コロナウイルスの影響で巣ごもり族が増え、家庭用ゲーム機の人気が急増し、どうぶつの森が恩恵を受けた格好だ。
既に韓国国内でも4月初めから品薄状態となり、大ヒットの兆候が見える。そこにこどもの日を含む5月第1週の連休が重なり、爆発的需要となった格好だ。
■ゾンビ映画を思い出させる争奪戦
4月30日に水原市霊通区にある大型量販店には1000人近い人々が押し寄せた。前日に量販店にニンテンドースイッチ45台が入荷したという情報が伝わり、朝の開店と同時に買い物客数百人が殺到したのだ。店側は抽せん券300枚を準備したものの、「これほどたくさんの方が集まるとは思わなかった」と謝罪せざるを得なかった。
徹夜の行列、そして開店ダッシュを巡る証言も相次いでいる。ポータルサイト上ではニンテンドースイッチに関するブログに「従業員が扉を開け、入店したところ、シャッターが壊れた」だとか「転倒した学生を踏み越えた」といった書き込みがあった。
ブログでは「どの店舗に何セット入荷するらしい」「きょうは入荷がない」といった情報も共有されている。さらにはソウル在住の人が忠清道など地方の量販店に遠征して購入したという書き込みもあった。
ゾンビ映画顔負けの争奪戦が起きると、販売をオンラインのみに切り替えるところも出始めている。イーマートは4月中旬から自社のアプリとウェブサイトでのみ販売している。それも先着順ではなく、応募者から抽せんを行う方式だ。イーマート側は「新型コロナウイルスの拡散を防ぐため、全量をオンラインで販売している」と説明した。
■50万ウォン台で転売も
中古市場でプレミアムを上乗せするケースも増えている。「中古ナラ」など中古品取引サイトでは、定価36万ウォンの「どうぶつの森エディション」を50万ウォン台で売るという出品が数百件も掲載されている。会社員のKさん(39)は「息子からせがまれているが、行列に並ぶ自信がないので、毎日中古ナラにアクセスしているが、50万ウォンというのはあんまりではないか」と話した。
■任天堂「コロナで生産に支障」
なぜこれほどの品薄となっているのか。第一に新型コロナウイルスによる急激な人気拡大で、商品が不足しているからだ。4月21日の日経アジアンレビューによると、任天堂は最近、部品・受託組み立て業者に4-6月の増産を求めたという。
任天堂は下請け業者に対し、ニンテンドースイッチの生産台数が前年(2000万台)よりも10%増えると通知している状況だ。任天堂は主に中国に生産を委託している。しかし、任天堂は「部品調達の一部の供給に見通しが立たず、ニンテンドースイッチをどれほど生産できるかが分からない」としている。新型コロナウイルスの影響で部品調達が難しくなっているからだ。
任天堂コリアは「どうぶつの森エディションは限定版ではない」として、騒動の沈静化に努めている。フェイスブックを通じ、「今後も出荷を継続する予定であり、希望小売価格は36万ウォンだ」と周知した。