韓国開発研究院「コロナ対策の財政支出が不動産価格押し上げ」
利下げと4回、67兆ウォン規模の追加補正予算…供給拡大困難な住宅市場刺激
新型コロナウイルス感染症の危機を克服するため、韓国政府が財政支出を増やしたことが住宅価格上昇の要因として作用しているとする国策シンクタンクの分析が示された。
韓国開発研究院(KDI)のチョ ン・デヒ研究委員は9日に発表した「通貨供給増加の波及効果とコロナ19経済危機」と題するリポートで、「コロナ危機を克服するための経済政策が実体経済の回復には寄与しないまま、通貨供給量を急速に増やし、資産価格だけを上昇させているのではないかという懸念が提起される」と指摘した。KDIによると、経済全体の通貨供給量を意味するM2(広義の通貨供給量)は4-6月に前年同期比9.2%増加した。韓国銀行が今年2回にわたり政策金利を計0.75%引き下げたほか、政府が4回にわたり、計67兆ウォン(約6兆3000億円)規模の追加補正予算を編成。さらに、民生金融安定パッケージプログラムで82兆ウォンの流動性を供給し、通貨供給量が増加した。
チョ ン研究委員は「通貨供給量の増加は短期的に経済全体の需要を拡大させ、経済活動を促進し、物価を上昇させるが、効果は部門別の特性によって差が出る」とし、「住宅市場の場合、供給が弾力的に反応できず、通貨供給量増加の影響が短期的には価格上昇として表れる可能性がある」と分析した。市中に資金が供給されれば、消費と投資など総需要が増加するが、それに合わせて供給が容易になされる市場であれば価格と生産が同時に上昇する。しかし、供給が難しい市場では価格だけが上昇する。実際に分析した結果、通貨供給量が1.0%増加すると、住宅価格は10-12月にかけて0.9%上昇するという試算がまとまった。チョ ン研究委員は「通貨供給の拡大に伴い表れる特定部門の不均衡を解消するため、供給拡大を制約する政策を控える必要がある」と指摘した。