「この時局になぜ韓中海底トンネル?」 大統領選候補者の公約にネットユーザー不満爆発
「この時局に中国となぜ海底トンネルをつなげなければならないのか。中国に取り入ろうとする狙いか」。
与党圏の大統領候補である梁承晁(ヤン・スンジョ)忠清南道(チュンチョんナムド)知事が「韓中海底トンネル」を公約に出すと、30日各種オンライン掲示板には不満混じりの反応が次々と書き込まれた。親与党志向の掲示板でも「中国資本が済州島(チェジュド)にどれくらい浸透したのか知りながらのことか」「目立とうとするためなら、いっそのこと『韓米海底トンネル』を開通させようと言え」などの反応もあった。
「韓中海底トンネル」は韓中が折半して合計170兆ウォン(約16兆7100億円)を投じて、中国山東半島と忠清南道泰安(テアン)半島を323キロメートルの海底トンネル(道路)でつなげようというマンモス級の開発公約だ。4・7釜山(プサン)市長再補欠選挙当時、国民の力が公約した「韓日海底トンネル」(全長210キロメートル、必要予算約100兆ウォン)より規模が大きい。梁知事は先月29日に記者会見を開き、「世界最大の市場をわれわれの機会にしなければならないという信念を込めて、巨視的かつ長期的な課題として韓中海底トンネルの大長征を始める」とし「275兆ウォンの生産誘発効果、100兆ウォン以上の付加価値誘発効果がある」と主張した。しかし返ってきたのは世論からの袋叩きだった。
◆「チャイナタウン」でも袋叩きの前例
反中感情に苦労した大統領選走者は梁知事が初めてではない。やはり民主党の大統領候補選挙戦に挑戦状を出した江原道(カンウォンド)の崔文洵(チェ・ムンスン)知事も反中感情のため今年4月、大統領選への挑戦の夢を諦めなければならないところだった。江原春川市(チュンチョんシ)や洪川郡(ホンチョんグン)一帯の120万平方メートルの敷地に中国文化体験などテーマ型観光地を作ろうという「韓中文化タウン」計画のためだ。
道民の反発が大きくなると、崔知事は4月にあるラジオで「江原道が主催ではなく民間企業(コオロングローバル)が推進中」と釈明したが、かえって「私は韓中文化タウンを『文化一帯一路(中国政府の経済ベルト構想)』と名付けた」という2019年人民網(中国共産党機関紙「人民日報」の電子版)のインタビューが改めて注目され、激しい逆風を受けた。「江原道チャイナタウン建設を撤回してほしい」という青瓦台(チョんワデ、大統領府)の国民請願に67万人が参加するほどだった。これに対してコオロングローバルが事業計画を撤回し、5月初めに大統領選への挑戦を宣言しようとした崔知事の政治日程は1カ月以上先送りしなければならなくなった。
野党圏大統領選走者である済州道の元喜龍(ウォン・ヒリョン)知事も最近話題にのぼった。先月18日、済州市のあるホテルで開かれた中国共産党創党100周年(7月1日)記念写真展に「中国と大韓民国は長きにわたる友であり、北東アジアと世界平和のための運命共同体」という内容の映像祝辞を送ったことが禍根になった。関連記事には「済州島が中国の土地か」などの反応が列をなした。
◆「北朝鮮より中国が脅威」
外交専門家は一様に中国との関係改善を次期政府の必須アジェンダに挙げる。「経済関連性が深い中国との協力と事前の葛藤調整は常時的課題」(キム・ハングォン国立外交院中国研究センター責任教授)であるためだ。キム教授は「陣営問わず多国間外交などを通した対中外交解決法を提示しなければならないだろう」と話した。
しかし、大統領選走者の立場ではこのような方向を外交および産業分野公約の基調に掲げるのは容易ではない環境だ。青年層の反中感情が深刻な水準だからだ。韓国日報の依頼で韓国リサーチが全国満18歳以上の成人男女3000人を対象に先月25~27日に実施した世論調査(標本誤差95%信頼水準に±1.8%ポイント、回答率14.7%)では、中国に対する認識が「非常に否定的」という回答が多かった。特に20代では68.1%、30代では61.8%にのぼった。40代も回答者の半分水準である48.9%が「非常に否定的」と答えた。「どの国が韓国に脅威になるか」という設問には20代の43.7%が中国を挙げた。北朝鮮(35.6%)よりもはるかに高い数字だ。
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の最初の発生地として中国が繰り返し言及されているところに、最近両国ネットユーザーの間で激化していたキムチ・韓服・テコンドー宗主国論争や国籍法改正案論争が油を注いだためと分析されている。4月に法務部が外国人子女の韓国国籍取得手続きを簡素化する国籍法改正案を立法予告すると、政界でも「中国人に対する特恵」〔安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表ら〕という主張が相次いだ。適用対象者の94.8%(昨年基準)が中国国籍者という事実のために発生した論争だ。
韓国リサーチのチョん・ハンウル専門委員は「経済発展以後の世代である2030は韓国に対する自負心が強く、直観的に反応する」とし「大統領候補も反中感情に注目しなければならないだろう」と話した。徳成(トクソン)女子大学のチョ・ジンマン教授(政治外交学)は「米中葛藤に、反中感情まで重なり、今回の大統領選では中国関連のイシューは走者にとって地雷畑のように感じられるだろう」と見通した。与党圏のビッグキャンプはこのような雰囲気を認識している。すでに「中国問題は慎重にアプローチすること」〔李洛淵(イ・ナギョン)キャンプ関係者〕、「もっと現実的な対中外交戦略を出すこと」〔丁世均(チョん・セギュン)キャンプ関係者〕という慎重論が流れている。