【独自】ワクチン証明書、商業施設想定の運用指針作成へ…非接種者への差別回避
2021/07/10 05:00 読売新聞政府は、海外渡航者の利便性向上のために導入準備を進めている新型コロナウイルスのワクチン接種証明書について、国内の商業施設などでの利用を想定した運用指針を作成する方針を固めた。運用指針を周知徹底することで、接種証明書を持たない人への差別につながらないような利用を求めたい考えだ。

運用指針では、証明書の提示で、飲食代金やサービス料金を割り引くなど、利益につながる利用は推奨するが、証明書がなければイベント参加や、就職、入学を拒否するなど、不利益につながる利用は避けるよう呼びかける方向だ。
海外では、接種証明書があれば、入国後の待機期間の短縮や免除を認める国もあることから、政府は、日本人らが円滑に海外渡航できるよう導入を決めた。欧州連合(EU)では7月から、ワクチンパスポートの本格運用が始まり、ワクチン接種者に域内の移動が認められている。
ただ、政府は、様々な理由でワクチン接種を望まない人もいることから、国内の商業施設などでの接種証明書の利用は不当な差別につながりかねないと消極的だった。
しかし、長引くコロナ禍で飲食店などが疲弊する中、経済界からは接種証明書の国内利用を求める声が上がっていた。経団連は6月、接種証明書の活用によって、ワクチン接種者に対し、飲食店の利用促進や、国内移動・旅行などの制限緩和をし、「自粛などによって 萎縮いしゅく した地域経済や各業界の活性化が期待される」などとする提言を政府に提出した。
こうした意見に加え、商業施設や飲食店が独自に証明書を使うことを一律に禁止するのも困難なため、政府は国内利用を容認する方向にかじを切った。
海外渡航者向けの接種証明書は26日から全国の市区町村で申請を受け付ける予定だ。希望者は申請書やパスポート、接種済み証などを市区町村に提示するか郵送し、国の「ワクチン接種記録システム(VRS)」で接種履歴を確認できれば、証明書が交付される。手数料は無料とする方向だ。当面は書面で交付するが、政府は電子申請や、電子証明書の発行も検討している。
◆ワクチン接種証明書 =氏名や生年月日、国籍、旅券番号、接種日、接種したワクチンの種類やメーカーなどが記載され、ワクチンパスポートとも呼ばれる。