韓国100大企業のうち82社で米ブラックロックが大株主
9兆ドル(約990兆円)を運用する世界最大の資産運用会社ブラックロックは今年3月、KB金融持株に対する持ち株比率を1ポイント引き上げ6%としたと発表した。KB金融持株の2位株主であるブラックロックはこれで筆頭株主の国民年金(10%)に一歩近づいた。KB金融持株だけでなく、新韓金融持株、ハナ金融持株も含めた韓国の3大金融持ち株会社は全てブラックロックが国民年金に次ぐ2位株主だ。また、サムスン電子、SKハイニックス、ネイバー、LG化学など韓国を代表する企業の3位株主にも名を連ねる。
本紙が25日、上場企業100社の株主構成を分析した結果、ブラックロックが大株主(特殊関係人を含む)または国民年金に続く2位・3位株主となっている企業が半数以上の57社を占めたことが分かった。ブラックロックが4位株主である企業まで含めると82社に達する。ブラックロックは韓国株式市場で最大の投資者である国民年金を追随する大口投資者だ。
■3大金融持ち株会社全てでブラックロックが2位株主
1988年にローレンス・フィンクが創業したブラックロックは世界的な資産運用会社であり、最近資金が集まっている上場投資信託(ETF)の先頭走者だ。「アイシェアズ(iShares)」というブランドで、米S&P500のような主要株価指数の構成銘柄の株式に時価総額比率通りに投資を行う「パッシブETF」の運用が多い。2017年に5兆7000億ウォンだった運用資産は今年1-3月には韓国の国内総生産(GDP)の5倍の9兆ドルを超えた。ある資産運用会社の役員は「フィンク会長は膨らむ運用資産を通じ、全世界の主要企業の大株主として大きな影響力を行使している。世界の資本市場では『フィンクがバイデン(米大統領)より強い』と言われるほどだ」と話した。
過去1年余り、世界的に主要企業がESG(環境・社会・ガバナンス)を強調し、関連事業への投資を増やしている背景には投資先企業にESG投資の強化を求める大株主ブラックロックの存在があるとされる。フィンク会長は昨年初めの公開書簡で、「今後投資決定時には持続可能性を基準にする」と宣言し、ESG投資の強化を投資先企業に求め、それから世界的に「ESGブーム」が起きた。セントルイスワシントン大経営学科のキム・ジュンモク研究員は「分散投資を行うパッシブ型ファンドは気候変化、インフレ、社会不安などシステム自体に問題が生じると、ポートフォリオ全体が崩壊するリスクがある。フィンク氏がESGという基準を企業に求めるのは、そうしたシステムリスクを軽減する努力の一環だ」と指摘した。
■ESGブームもブラックロックの作品
韓国国内ではブラックロックの発言力が徐々に強まっている。KB金融のムン・ヘスクESG戦略部長は「ブラックロックは書簡やコンファレンス(電話会議)などを通じ、『中長期的なESG戦略を知りたい』『ESG報告書のうち細かい点が知りたい』といった要求をしてくる」と述べた。ハナ金融のキム・ヨンジュESG企画チーム長は「ブラックロックは一度投資すると長く投資を引き揚げない中長期投資家であり、企業にとっては非常に重要だ。最近ESGに関する進ちょく状況をブラックロックが照会してくる頻度が高まっているが、『ESGに関心を寄せている』というシグナルを発する狙いがありそうだ」と話した。
米国でブラックロックは取締役の選任にも積極的に介入するなど影響力を高めている。韓国企業の経営にも今後実質的な影響力を行使する可能性が高いことを示唆している。
高麗大経営学科の金佑燦(キム・ウチャン)教授は「ブラックロックの持ち株比率が韓国よりも既に高い米国では自分たちが希望する取締役を押し通したり、取締役会の構成の多様性を求めるなど実力を行使する例が増えている。支配構造改善などの分野でブラックロックが韓国の投資先企業にもさらにさまざまな要求を行う可能性があり、韓国企業も備えが必要だ」と指摘した。