日米豪印、民主主義陣営の結束図る
「専制」の中ロ意識
2/12(土) 7:11配信

共同記者会見に臨む(右から)林芳正外相、インドのジャイシャンカル外相、オーストラリアのペイン外相、米国のブリンケン国務長官=11日、豪メルボルン(AFP時事)
日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(通称クアッド)の外相が11日、豪メルボルンで対面形式の会談を行った。
インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国、ウクライナに軍事圧力をかけるロシアという「専制主義」国家の連携が際立つ中、民主主義や法の支配といった基本的価値観を共有する陣営の結束をアピールする狙いがある。ただ、伝統的に「非同盟」のインドを含む枠組みの難しさも改めて浮き彫りになった。
議長国を務めた豪州のペイン外相は会談後の共同記者会見で「安定と繁栄の基盤を提供した規則と規範が権威主義体制からの圧力にさらされている」と表明。林芳正外相は「まさに外交の力が問われている時だ」と指摘した。
中国の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領と北京冬季五輪の開会式直前に会談し、ウクライナ情勢をめぐるロシアの立場を支持。共同声明は「アジア太平洋での敵対的陣営の形成に反対する」と主張し、米国主導の秩序づくりに結束して対抗する姿勢を鮮明にした。
クアッド外相会談は、今年前半に日本で予定するクアッド首脳会談に向けた「前さばき」の位置付け。北京五輪にぶつけるタイミングで開いたことについて、米バイデン政権関係者は「民主主義国の存在感を示す意味合いもある」と明かす。
会議では先端技術分野の連携、途上国を対象とした新型コロナウイルスワクチンの供給やインフラ整備などについて協議。経済、軍事両面で影響力を行使する中国の存在を特に意識しており、日本外務省幹部は「インド太平洋でもう一つの選択肢を示す」と強調する。
ウクライナ情勢も取り上げられ、ブリンケン米国務長官は共同記者会見で「世界の国々の安全保障が脅かされている」と危機感を示し、各国の連携を呼び掛けた。一方、インドのジャイシャンカル外相は言及せず、温度差が浮き彫りになった。
インドは冷戦期を通じて「非同盟」を外交の基本に据え、特定の勢力に属することを避けてきた。実際、中ロが主導する上海協力機構(SCO)にも入っており、ロシアとは武器生産で協力する。世界第2の人口を抱え、経済的に高い潜在力を有するだけに日米豪は連携を深めたい意向だが、「クアッドで完全に一致したメッセージを発することは難しい」(日本政府関係者)との声が漏れる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/826fb3a7fad002a113e1edd39f66e47575738b53