ハロウィン 3年ぶり〝無制限〟の渋谷 歓声と警告渦巻き

東京・渋谷では厳戒体制の中、仮装姿の人がみられた=31日午後、東京・渋谷(三尾郁恵撮影)
2日前に起きた韓国ソウルの雑踏事故の惨劇から間もない中、31日のハロウィン本番を迎えた東京や大阪の繁華街には仮装した若者たちが集まった。3年ぶりに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限がなく、〝お祭り〟ムードに包まれる一方、群衆を分散させようと誘導する警察官らが入り乱れ、例年にない緊迫感が漂った。 【写真】仮装姿の人らで賑わう大阪・ミナミの道頓堀 「立ち止まらないでください」 午後5時すぎ。多くの人でごった返した東京・渋谷駅前のスクランブル交差点付近では、警視庁の警察官が警備車両の上から通行人への呼びかけを続けた。制服警察官が随所で歩行者に注意を促すパネルを掲げるなどし、混み合うセンター街を避け、群衆を分散させるように誘導。地元の有志が見回る姿もみられた。 ソウルの雑踏事故は、狭い坂道に大量の通行人が集中したことで発生したとみられ、細い路地が入り組む渋谷でも心配の声が上がった。飲食店や雑貨店などが並ぶ「スペイン坂」にある小売店で働く30代女性は「渋谷も小道が多い。人混みになったら危ないとは感じる」と気をもんだ。 友人と2人でチャイナドレス姿で仮装していた10代の女子大生は韓国の事故を受け、渋谷に来るのをやめようかと悩んだものの、行動制限のないハロウィン本番を楽しもうと「早い時間帯で短時間の滞在にしよう」と決めてきたという。「人が多すぎるところには近づかないようにして、危ないと感じたら離れようと思う」と語った。 渋谷でのハロウィンを巡っては、過去に飲酒による事件やトラブルが続発。渋谷区が中心部での路上飲酒を制限し、酒類販売の自粛を求める事態に至った。この日は韓国での事故を踏まえ、区が「来街を控えることも検討してほしい」と呼びかけたほか、警察庁が全国の警察に交通整理などで事故防止を図るよう指示する中で本番を迎えた。 渋谷でのハロウィンは初めてという横浜市のフリーターの女性(27)は「お酒を飲むと皆、たがが外れてしまうので仕方ない」と話した。 一方、「西の聖地」として知られる大阪・ミナミでは、午後6時ごろから仮装した若者らが続々と集結。1時間後にはさらに混雑し、身動きが取りにくい状況になる場所もあった。 「毎年軽い気持ちで楽しんでいたが、人が増えたら今日は早く帰る」。魔女の衣装に身を包んだ大阪市西区の女子大生(20)は不安そうな表情を浮かべた。毎年、友人らとハロウィンを楽しんでいたが、今年は韓国の事故を知り、参加を見送った友人もいるという。「騒いで迷惑をかける人もいる。マナーを守って楽しみたい」と話した。
大阪・道頓堀も厳戒ハロウィーン 若者ら大挙、警察は200人態勢

仮装した人たちで混雑する戎橋。警察官が警戒していた=2022年10月31日午後7時39分、大阪市中央区、水野義則撮影
ハロウィーンの31日、大阪市の繁華街・ミナミには多くの人が集まった。ソウル市内の繁華街・梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故で150人以上が亡くなったことを受け、警察が警戒態勢を強める中、仮装姿の若者らが行き交った。 観光地として有名な道頓堀の戎(えびす)橋。夕方から人が増え、午後7時ごろには橋の中央では前に進むのが難しくなるほどの混雑が生じた。道幅が狭くなるスロープでは、大阪府警の警察官が「立ち止まらないでください。そのまま歩いてください」と繰り返し呼びかけたり、欄干から身を乗り出す人を止めたりしていた。 アニメの登場人物の仮装をした大阪市平野区の男性(23)は、友人2人と足を運んだ。戎橋に来るのは初めてで「せっかく新型コロナが収まってきたので、羽目を外したかった」。韓国の事故は「ひどいと思う」が、「ミナミはそこまで人は集まらないと思った」。 吹田市の女子大学生(19)は、友人4人とメイド服を着て訪れた。韓国の事故を知り「人が増えないうちに早めに来た」という。入学後、新型コロナでイベントがほとんど中止になったといい「楽しめる時に楽しみたくて、一番にぎやかそうな道頓堀に来た」と話した。 戎橋では、過去に川に飛び込む人がいたり、密集に乗じた痴漢や盗撮の事件も起きたりしている。府警はこの日、道頓堀や同じく若者が多く集まる「アメリカ村」を中心に約200人態勢で警備に当たった。 道頓堀で焼き肉店を営む男性(48)は「活気が戻るのはミナミらしくていいが、路上で酒を飲んで騒いだり川へ飛び込んだり、目に余る行為も多い」とうんざりした様子。「何事も安全第一。節度をもって、街全体で楽しめるイベントにしてほしい」と話した。