民業圧迫というかw
社宅とかが無くなってると一緒だろう。
公共の宿 次々姿消す
2022/09/07 05:00 読売
来年3月末で営業を終える「ホテルルビノ京都堀川」(上京区)
6月末で休業した「御所西 京都平安ホテル」(上京区)
昨年9月末で閉館した「ホテルセントノーム京都」(南区)コロナ禍 3ホテル営業終了
公務員の共済組合が運営する府内の三つのホテルが、1年余りの間に立て続けに営業終了を決めた。直接の引き金になったのは新型コロナウイルス禍による経営悪化だが、多くの利用者に親しまれた「公共の宿」がこぞって行き詰まった背景には何があるのか。(上村真也)
■「苦渋の決断」
来年3月末での営業終了を決めた「ホテルルビノ京都堀川」(上京区)のロビーには、50周年を祝う利用者のメッセージがびっしりと飾られていた。家族で利用した和歌山県の元教員男性(67)は「毎年、夏休みはここを拠点に寺社巡りをするのが恒例だった。寂しいですね」と話した。
ルビノは1972年、教職員でつくる公立学校共済組合京都支部が福利厚生のための宿泊所として営業を開始。宿泊や宴会で、コロナ禍前は一般客も含め年間約30万人の利用があった。しかし、2020年度はコロナ禍で13万人に半減。20、21年度で計3億4000万円の営業赤字を出した。
担当者は「多くの方に親しまれてきた施設なので、何としても続けたかった。今回は苦渋の決断だった」と話す。税金がかかるため、早期の売却などを模索するという。
他の2施設も経緯は似通っている。
6月末で休業に入った「御所西 京都平安ホテル」(上京区)は、道府県職員でつくる地方職員共済組合の福利厚生施設として1980年から営業。国内有数の日本庭園を備え、婚礼の会場としても人気があった。しかし、2018年度を最後に赤字が続き、3万人超で推移していた宿泊者数も21年度は1万人を割り込んだ。休業を巡っては、スタッフが説明不足などを理由に解雇撤回を求める事態になり、再就職先のあっせんを急いでいる。
京都市を除く市町村職員などでつくる府市町村職員共済組合が運営する「ホテルセントノーム京都」(南区)は、1995年の開業以降、JR京都駅に近い立地を生かして高い稼働率を誇った。だが、やはりコロナ禍で10%程度にまで落ち込み、昨年9月末で閉館。今年7月、ジェイアール東海不動産(東京)が用地を取得し、活用方法を検討している。
■老朽化、資金繰り困難
なぜ立て続けに営業終了に至ったのか。
一つ目の理由に、公的施設特有の制約がある。共済組合のホテルは、地方公務員等共済組合法で定められ、所管する省庁の通知などに基づいて運営される。2000年には、民業圧迫を避ける目的で、増築の禁止や独立採算制の徹底が閣議決定された。民間のような自由な資金調達は難しく、「老朽化した施設の改修費にもめどが立たなかった」とルビノの担当者は明かす。
京都特有の事情もある。インバウンドの増加に伴い、京都市内の宿泊施設の総客数は、この10年で倍増。民間がそれぞれの独自色を打ち出すなか、苦戦を強いられた。平安ホテルの関係者は「そもそもが福利厚生のための施設なので、思い切ったディスカウントも高級路線への切り替えもできず、結果として埋没した」と振り返る。
■ニーズの多様化
バブル期に乱立した公共の宿は、曲がり角を迎えている。地方職員共済組合によると、1980年頃に84あった宿泊施設は13にまで減少。ポイント還元などを売りにする宿泊予約サイトが普及し、割安に泊まれる選択肢が広がったことも一因とみる。他の組合でも事情は同じだ。
ある府職員は「昔は予算編成時に職員みんなで平安ホテルに泊まったり、府外の宿泊施設で打ち上げをしたりした。今はそういう時代ではないのかもしれない」と話した。
<公共の宿> 自治体や組合など公的機関が運営する宿泊施設。組合員などは格安で利用でき、相互利用の枠組みもある。府内では「京都嵐山 花のいえ」(右京区、公立学校共済組合)や「KKR京都くに荘」(上京区、国家公務員共済組合連合会)などがある。