ソウル在住13年の「在日3世」が語る「韓国への大いなる違和感」と「再び日本で暮らしたい」と思うに至ったこれだけの理由
近藤 大介『週刊現代』特別編集委員『現代ビジネス』編集次長プロフィール
現代ビジネスの連載「在日3世」シリーズで人気を博している豊璋(ほう・しょう)氏が、初となる著書『それでも韓国に住みますか』を刊行。短期間、来日したのを機に、東アジア問題コラムニスト・近藤大介が、韓国問題について、豊璋氏と緊急対談した。(撮影:西崎進也)

リアル韓国は所詮「自称・先進国」
近藤: はじめまして。昨年来の豊璋さんの現代ビジネスのコラムは、いつも面白く拝読しております。
私の毎週火曜日のコラムは、現代ビジネスの連載第1号(2010年4月開始)で、今回で666回目になるのですが、この頃は人気ランキングでベストテンに入るか入らないか(笑)。それに比べて、豊璋さんの「在日3世」シリーズは、いつも人気トップ。これはすごい「新人」が現れたなと。
豊璋: それは、お金、かかってますもん(笑)。ボクはソウル在住13年で、これまで韓国人に騙された金額が約4000万円。「文在寅(ムン・ジェイン)反日政権」のせいで失った額が、約1000万円。合計約5000万円もの「血の涙」を流しながら得た体験や情報を書いているわけです。いわば、剥き出しの「リアル韓国」ですから、少しは人気が出てもらわないと困ります(笑)。

近藤: 「リアル韓国」については、ご新著の『それでも韓国に住みますか』(WAC)にたっぷり書かれていますが、いやあ、それにしても壮絶な世界ですね。
豊璋: そうなんです。僕は朝鮮総連幹部の祖父を持つ在日3世で、朝鮮学校の出身です。日本に住んでいた頃から、「在日野蛮人」を自任していたのですが、そんな僕でも、2010年に韓国へ渡った時は、毎日、唖然とすることの連続でした。
畑で農夫が野糞をしていたり、美容院でお湯が出ないのに冷水で頭を洗わされたり、コンビニの店員が自分のスマホで遊んでいたり……。韓国では道がデコボコで何度も転んでしまうので、スニーカーを履くことに決めたほどです(笑)。
近藤: 私は中国で4年間、暮らしました。韓国に暮らしたことはありませんが、50回以上訪れていて、廬武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の3大統領には直接会って話を聞いたこともあります。韓国語も普通に話します。
そんな私から見ると、中国は大陸国家で、日本は(海洋に囲まれた)島国です。それに対して韓国は、半島国家。つまり中国的要素と日本的要素を併せ持った国というか、中間的な民族である気がします。
豊璋: それは確かにそうかもしれませんね。でも、新著にも書きましたが、韓国は実際に住んでみると「違和感」の連続ですよ。世界のGDPランキングでベストテン入りしたことで、「自分たちは先進国になった」と自負していますが、それは「自称・先進国」だろうと(笑)。
「すでに日本を超えた」と誇る韓国人もいますが、僕には韓国が日本より豊かになったとは、どうしても実感できない。それどころか、いまだに30年くらい遅れている気がしています。
豊璋: 昨年10月にソウルの梨泰院(イテウォン)で起こったハロウィンの惨事(若者ら計159人が圧死などで死亡)など、東京で起こりうるでしょうか? 韓国ドラマでよく出てくる「江南」(カンナム=ソウルの漢江南岸の一等地)にしても、実際はハリボテの街ですよ。
近藤: たしかに、私は50回以上、韓国へ行っていると言っても、しょせんは「訪問者」ですからね。泊まるのはホテルだし、生活感には乏しい。
豊璋: いや、たとえソウルに住んでいる日本人でも、日本大使館の外交官や大企業の駐在員、大手マスコミの特派員などは、日本の大組織に守られているわけです。ところがボクの場合は、「裸一貫」でしたから。
「大事なのは勝ち負けだけ」「自分さえよければあとはすべて他人事」……という激烈な弱肉強食社会に飛び込んだはいいが、格好のカモにされてしまったわけです。
在日韓国人は、一度祖国に住むといい
近藤: そういった激烈さは、前述の韓国民族の中国的要素に属するのでしょうね。ところで、「在日野蛮人」を自称しておられた豊璋さんは、どうして韓国へ渡ったのですか?
豊璋: 僕は、「小さな北朝鮮」とも言うべき朝鮮学校の教育に合わなくて、18歳で韓国籍に変えました。そして銀行員から始めて、その後独立していくつものビジネスを日本で成功させたんです。
しかし40代になって、両親と死別したり、日本人妻と別れたりして、転機を迎えました。それで残りの人生では、自分が生まれ育った日本と、親のルーツがある韓国を結ぶ「日韓の懸け橋」になろうと決心したのです。
近藤: なるほど。豊璋さんの場合、韓国籍なのだから、韓国への渡航は「帰国」ということになりますよね。
豊璋: 一応そうなんですが、驚いたことに、日本のマイナンバーにあたる「住民登録証」には、カッコ書きで「在外国民」と明記されています。大統領選挙の投票も、わざわざ日本の韓国大使館とかに行かないとできません。
また、韓国で会社を作ろうとしたら、「在日韓国人の名義で会社を作っても韓国では相手にされない」と、周囲の韓国人たちから止められました。そして年下の韓国人からも、「よくそんな片言の韓国語で、韓国人と名乗れるな!」とバカにされる始末です。
近藤: 韓国での「在日韓国人差別」という話は、昔からよく耳にしますが、実際に大変なんですね。
豊璋: 僕は子供の頃、日本で朝鮮 人差別を受けた世代ですが、韓国での「在日同胞差別」は、そんな可愛いレベルではなかった(笑)。
だから、「自分たちは日本で差別を受けている」とか主張している在日韓国人は、一度祖に住んでみたらいいんですよ。
ちなみに、韓国で差別を受ける「同胞」は、「在日同胞」だけではありません。出稼ぎに来ている中国の朝鮮族も、命からがら北朝鮮から逃げてきた脱北者も、等しく強烈な差別を受けます。脱北者の母子が、自宅アパートで餓死するという痛ましい出来事も起こりました。
やはり韓国人の生活は先進国からほど遠いようです。 このシリーズはまだまだ続きます。皆おもしろい記事ですよ。