「韓国人は事実と意見を区別できない」
低すぎる”読解レベル”が慰安婦・竹島問題をこじれさせる
OECDが各国の高校1年生を対象にしたPISA調査の中で、韓国は調査国中で「情報が事実か意見か」を見極める力が最低だった。統計データ分析家の本川裕氏は「慰安婦問題、竹島問題など日韓問題が解決できないのは、韓国では大人も、ネット上などの情報における意見を事実と同じぐらい重視し、両方を区別しない場合があるからではないか」という――。■日本は世界43カ国の中でもっとも「疑り深い気質」
近年、なりすましメールで個人情報を聞き出し、財産の詐取や悪意ある情報拡散につなげようとするネット上の犯罪行為が横行するようになった。これは、デジタルリテラシーにかかわる象徴的な事案ともなっているので、まず、こうしたデジタル犯罪への対処に関して各国民が、どの程度、用意ができているかについてのデータを紹介しよう。
しかし、こうしたメールを受け取ったら、有名携帯電話会社になりすまして個人情報を詐取する手口だろうと疑うのが当然であろう。すなわちすぐ情報を返信するのは「不適切」と回答するのが正しい。図表1には、各国の回答結果を「不適切」の多い順に示した。

日本の高校生は75.6%と世界43カ国の中で、もっとも「不適切」とする回答が多く、疑り深い気質を示している。
子は親の鏡ともいわれる。これが高校生の結果だが、国民全体の気風の反映という側面が大きかろう。日本に次いで、中国、英国、フィンランドなどが続いており、こうした国では、なりすましメールへのガードが堅いといえよう。
■韓国は下から3番目、なりすましメールに無防備
他方、「不適切」とする割合が比較的小さいのは、メキシコ、ハンガリー、チリといった途上国的な性格の強い国である。
また、韓国は先進国にもかかわらず、47.1%と下から3位の小ささとなっており、なりすましメールへの無防備さを示している。
韓国においては、多少の危険を冒しても、ネット空間に落ちているチャンスをいち早くつかんだほうが、結局は有利だという「拙速をよしとする」考え方が根強いのだと思われる。ある意味では、これがネット先進国といわれる韓国のお国柄と判断できよう。
対照的なのは日本だ。あまりにガードが固いため、皆が参加すれば有効なデジタルシステムがなかなか実現しない結果、デジタル後進国の名に甘んじなければならないのだとも見られるのである。
日本のコロナ対策において、給付金の給付でのマイナンバーカードの活用や、コロナ感染リスクの個人間の相互監視のためのスマホのアプリの活用などが、いちいち頓挫するのも、行政の対応能力の低さだけでなく、デジタルネットワーク・システムの構築に必要なある意味で安直な協力が国民から得られないためといえるであろう。
■韓国は「事実」と「意見」を取り違えていないか?
日本の読解力の成績が下がったのは、実は、PISA調査の当局が、デジタル時代に重要となってきている成績評価の要素として、ネットなどで得られる情報の「信ぴょう性」を正しく疑えるかという点を新たに導入したからであった。
このことは、新たにどんなテスト問題が加えられたかをチェックすればわかるし、情報の信ぴょう性を疑うのが得意な英米の読解力の成績が大きく上昇したことからも明らかなのである。詳しくは昨年1月の記事を参照されたい。
情報の「信ぴょう性」を判断する場合に重要なのは、情報に含まれる「事実」と「意見」の判別である。この点に関する2018年PISA調査のテスト問題として、代表的だったのは、「ラパヌイ島設問」だった(図表2参照)。これは、アメリカの進化生物学者であるジャレド・ダイアモンドが2004年に著した『文明崩壊』の書評文(抜粋)の中に登場する「ラパヌイ島」に関する記述を読み、文中の「事実」と「意見」をきちんと分けて理解しているかを試すテスト。


この設問に対する正答率(正しい回答の割合)を各国比較した図表3を見てみると、米国が69.0%と最も高く、英国が65.2%でこれに続いていた。逆に最も低かったのは韓国の25.6%である。
慰安婦問題、竹島問題をはじめ歴史問題をめぐる日韓問題がなかなか解決の方向に向かわないのは、韓国では「意見」を「事実」と同じぐらい重視し、両方を区別しない場合もあるからだということもこうした結果から見えてくる。
■教育を受けていない韓国は誤答する率が高かった
図表4には、同じ2018年PISA調査の結果から、「学校で情報が主観的か、また片寄りがあるかを見抜く方法を教えられているか」と聞かれて「はい」と答えた生徒の割合と「ラパヌイ島設問」正答率との相関を見たグラフを掲げた。
この点の教育が大いに行われている米英やカナダ、オーストラリアといった英語圏諸国では、事実と意見を区別できる生徒の割合も高くなっており、途上国や韓国のようにそうした教育に積極的でない国では、同割合は低くなっている。
IT機器の普及やデジタルネットワーク・システムの基盤整備といったハード、ソフトの充実より、むしろ、若者や国民の広い意味でのデジタルリテラシーの向上を国を挙げて図っていかないとデジタル時代に真に対応したことにはならないことをこの図は示していよう。デジタル庁の事務方トップが、商用画像の不正使用を行っているような日本の状況では、この点が全く心もとないと言わざるを得ないのである。
韓国は本記事で引いたOECDの報告書の指摘に敏感に反応した。「フィッシングメールが判らない?……韓国青少年のデジタルリテラシー、OECDで最下位」と題されたハンギョレ新聞の記事(2021.5.17配信)では、なりすましメールへの韓国人高校生のあまりの無防備さに警鐘を鳴らすとともに、事実と意見の判別テストでも悪成績だったことや若者の語彙力低下が社会問題になっている。
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本川 裕(ほんかわ・ゆたか)
統計探偵/統計データ分析家
東京大学農学部卒。国民経済研究協会研究部長、常務理事を経て現在、アルファ社会科学主席研究員。暮らしから国際問題まで幅広いデータ満載のサイト「社会実情データ図録」を運営しながらネット連載や書籍を執筆。近著は『なぜ、男子は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)。
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(統計探偵/統計データ分析家 本川 裕)