今月だけで85件…山火事が起きやすい朝鮮半島に

23日、慶尚南道(キョンサンナムド)の密陽市三浪津邑倹世里(ミリャンシ・サムランジンウプ・コムセリ)で発生した山火事が、強風に乗って広がっている。[ニュース1]
「怖くて慌てて飛び出したから、荷物もまとめられなかった。着の身着のままで避難してきた…」 23日午後1時ごろ、慶尚南道咸陽郡(キョンサンナムド・ハミャングン)のある体育館で会ったソさん(88)の話だ。足の不自由なソさんの隣には、杖を2本つきながら歩く80代・90代の女性3人もいた。彼女たちは救護テントの中で弁当で昼食を済ませていた。いずれも山火事で避難してきた松田(ソンジョン)村の住民だ。松田村は、最初の発火地点である咸陽郡馬川面昌元里(マチョンミョン・チャンウォンリ)の山から約2キロ離れている。村長のソク・ヨンサンさん(71)は「ほとんどが70~90代の高齢者で、郡職員らが付き添って避難させた」とし、「火の手が急斜面を伝って急速に広がった」と話した。21日に発生したこの山火事で、近隣5つの村の住民164人が体育館などに避難した。 咸陽の山火事では国家消防動員令まで出される事態となり、山林当局がヘリコプターなどを動員して昼夜を問わず消火作業を行ったが、火勢はなかなか収まらなかった。長期間雨が降らず乾燥した天候に加え、強風や急斜面、厚い落ち葉の層が燃え広がる要因となったためだ。幸い強風がいったん弱まり、大規模な消火活動が続けられたことで、この日午後5時ごろ、発生から2日後に鎮火した。人的被害はなく、ビニールハウス1棟と農作業小屋1棟が焼失したことが確認された。 この日午後4時10分ごろには、慶尚南道密陽市(ミリャンシ)でも山火事が発生した。消防庁は「国家消防動員令」を発令し、山林当局とともに消火にあたった。これに先立ち、江原道高城(カンウォンド・コソン)や忠清北道丹陽(チュンチョンプクト・タニャン)などでも山火事が発生していた。 山林庁によると、今月に入って全国で大小合わせて85件の山火事が発生した。昨年の同じ期間は43件、2024年は11件だった。2月に山火事がこれほど増えたのは、韓半島(朝鮮半島)が次第に山火事の発生や拡散が起きやすい気候へと変化しているためだというのが専門家の分析だ。 中央日報が気象庁の1974~2025年の気象データを分析した結果、2月のデータを見ると、江原道束草(ソクチョ)では平均相対湿度が50%未満だった年が2000~2025年の間に計12年あったことが分かった。これに対し、1974~1999年は4年にとどまり、「乾燥した2月」は約3倍に増えたことになる。防災学者らは、相対湿度が50%未満の場合、山火事が発生しやすく、燃え広がる速度も速いとみている。 降水量の少ない年も増えている。2月についてみると、束草の降水量が10ミリ未満だった年は、1974~1999年は3年だったが、2000~2025年は計7年と2倍以上に増えた。気温も上昇している。1974~1999年の束草の2月の平均気温は1度だったが、2000~2025年は平均1.9度で、約1度上昇した。咸陽の気候も同様だ。隣接する慶尚南道山清(サンチョン)の気候データを分析した結果、山火事リスクの3要素(低い相対湿度、少ない降水量、高い気温)が2つ以上重なって現れた年は、1974~1999年は1回だったのに対し、2000~2025年は7回に増えた。この期間、平均相対湿度は62%から53.5%へと低下し、平均気温は1.5度から2.5度へと1度上昇した。 専門家らは、こうした気候の変化により、一度山火事が発生すると被害面積が拡大する「大規模化」が進んでいると指摘する。山林庁によると、2010年代の山火事の被害面積は年平均857ヘクタールだったが、2020年代に入ってからは2万3118ヘクタールと約27倍に拡大した。 ポステック環境工学部のミン・スンギ教授は「根本的な原因は、気温・湿度・風が作り出す気候条件だ」とし、「大気中の炭素濃度そのものを減らす炭素回収・貯蔵や森林復元などが(山火事防止に)不可欠だ」と述べた。