日本市場以外では伸び悩む“内弁慶”のシャープとしては、中国市場は最重要戦略市場である。好調の要因は、液晶テレビで採用しているブランド「アクオス」を、日本製の高級ブランドとして中国市場に定着させたことだ。「中国でシャープは“液晶の父”と呼ばれており、アクオスは最高水準のテレビという認識が定着している」と松本雅史・シャープ副社長も自信を見せる。また、同社製品を取り扱う販売店を3年間で4倍強の約3100店まで増やしたことも奏功した。
中国の液晶テレビ市場は、世界市場の成長速度を上回る有望市場だ。米調査会社ディスプレイサーチの試算では、2013年には4860万台と、09年比で約65%(金額ベースで12%)成長する見込みで、北米と西欧を抜いて最大となる。
だがそこでは、価格破壊が常態化している。世界でシェア争いを勝ち抜いてきたサムスン電子ですら、中国市場ではてこずっていた。
現在、シャープは現地企業と合弁で、亀山第1工場の第6世代の生産設備を移管した液晶パネル工場の新設計画を、11年3月稼働予定で進めている。第8世代の液晶パネル生産も地元と協議中だ。計画どおりに進めば液晶テレビの“地産地消”体制が構築され、コスト競争力が増す。中国市場攻略に照準を合わせるシャープの鼻息は荒い。