世界最大の携帯端末製造基地
[香港/台北 27日 ロイター] 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などの製造を手掛ける携帯電話機メーカー、富士康国際(フォックスコン・インターナショナル)<2038.HK>の中国・深セン工場で26日夜、従業員が宿舎の窓から転落死した。投身自殺とみられる死者は今年に入って10人目。新華社が報じた。
また、台湾の複数のテレビ局は、別の若い女性も同じ日に飛び降り、重傷を負ったが一命は取り留めたと報じた。これが事実だった場合、今年に入っての飛び降り件数は13件となる。
富士康国際は台湾の鴻海精密工業<2317.TW>の子会社で、アップルのほかヒューレット・パッカード、スウェーデンの通信機器大手エリクソンとソニー<6758.T>の携帯合弁ソニー・エリクソンなどを顧客に持つ。従業員42万人は工場施設内に住んでおり、シフト交代により24時間の稼動体制をとっている。
アップルなど委託元は、秘密主義で非常に厳しい企業風土を持つとされる富士康国際の労働環境について、調査を行うと表明している。
今回の事件の数時間前には、フォックスコン会長が現場を視察し、抜本的な対策を講じる方針を表明したばかりだった。
新華社によると、工場では約100人の精神衛生カウンセラーを訓練するとともに、従業員の飛び降りを防ぐため宿舎と工場のほぼ全体を覆うネットを設置している。
深セン市の担当者は26日の記者会見で、30歳未満が多い従業員にとって、家族と離れ社会からほぼ断絶された環境での暮らしが、自殺につながっている可能性があるとの見方を示した。
新華社によると、深セン市はフォックスコンや警察と連携し、スポーツ・文化施設の建設など、従業員の生活の質向上に向けた一連の対策を検討している。
アップルは26日、一連の死亡事件に心を痛めているとした上で、フォックスコンの対応策について調査するため独自チームを派遣したことを明らかにした。