【萬物相】F22
旧ソ連は1970年代末に最新鋭戦闘機スホイ27の試験飛行に成功し、新たな防空ミサイルのシステムを開発した。当時世界最強のF15、F16戦闘機を80年代に全面配備しようとしていた米空軍は慌てた。米国は83年、完全に新しい概念の「次世代制空機」を開発する「ATF(次期戦術戦闘機)プロジェクト」をスタートさせた。
ロッキード社が97年、ATFの成果となるYF22を開発した。F22の誕生だ。米空軍は猛きん類を意味する「ラプター」という愛称を付けた。F22はマッハ1.8(時速約2200キロ)の速度で、5000キロ近い爆弾とミサイル8基を搭載可能だ。作戦半径が3000キロを超え、グアム島から中間給油なしで韓半島(朝鮮半島)まで飛ぶことができる。
F22はレーダーに捕捉されないステルス機能を備えている。レーダーに表示される点の大きさは、ハチやコガネムシがレーダーに映る場合と似ているという。2006年の模擬空中戦で、F22が1機でF15、F16、F18を144機撃墜できたのも、ステルス機能のおかげだ。ほかの戦闘機はF22がどこから接近してくるかも分からずにやられてしまった。
F22は1機当たりの価格と維持費用が3億6000万ドル(約328億円)で、米空軍の主力機種であるF15の1億3000万ドル(約120億円)に比べ2.8倍に達する。一方、ソ連崩壊で米国の安全保障状況は完全に変わった。現在、米国の主戦場はアフガニスタンの山岳戦闘やイラクの市街テロ戦で、F22の出る幕はない。このため、米上院は昨年、F22への追加予算計上を中断した。
米国は26日から本土のF22編隊の一部を沖縄に移動させ始めた。哨戒艦「天安」沈没事件で移動時期が早まったと報じられている。F22は沖縄から発進し、30分以内に北朝鮮全域を攻撃できる。米軍事雑誌は先ごろ、「(ステルス戦闘爆撃機の)F117を操縦して最も記憶に残っているのは、北朝鮮領空を飛び回ったことだ」というインタビューを掲載した。F117による北朝鮮領空進入任務を現在はF22が担当しているとの外電報道もある。金正日(キム・ジョンイル)総書記は当分不安な夜を過ごさなければならなさそうだ。
申孝燮(シン・ヒョソプ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 http://www.chosunonline.com/news/20100528000058