小沢一郎が昨年末の政府予算案編成
で見せた芸当は、菅直人首相には
無理、政権は12月窮地に陥る
板垣英憲
2010年11月02日19時50分
◆週刊朝日が11月12日号で、ついに書いた。「仙谷・菅コンビが弄ぶニッポン最大不幸社会がやってくる」と題して大特集を組んでいる。菅首相の基本的思想を表す「最小不幸社会」をなじった言葉で「いま、菅政権が進める高齢者医療制度”改革”の中身を知ったら驚くだろう。いったい誰のためにこんなことをやろうとするのか。負担増は公表数字よりはるかに大きくなる。悪名高い『後期高齢者医療制度』のほうがマシだった!」と高齢者制度の改悪になることを猛烈に批判している。これに呼応するかのように、サンデー毎日が11月14日号で「『仙菅』ヤマトが沈没する日 12月始動 小沢艦隊の潜行作戦」というタイトルで、菅直人政権の命運が尽きる日を予言している。
加えて、「中曽根大勲位VS石原信雄元官房副長官 この2人 以外には語れない『危機管理』『政と官』」のコーナーで「仙谷君は弁護士出身だから政党政治史を知らないのでは」と中曽根康弘元首相の辛らつな言葉を掲載している。
さらに、サンデー毎日は「現物入手 仙谷の名前が載る大物総会屋の『黒皮の手帳』」とスクープ記事で柱を立てて、仙谷由人官房長官の旧悪を暴いている。週刊新潮の「赤い官房長官」連載の向こうを張ろうという意気込みは、高く評価できる。
崇高な国政の品格を貶めて続けている仙谷官房長官をいまでに持ち上げ、ゴマを磨り続けている新聞、テレビは、とくにTBS朝番組「みのもんた朝ズバ」の「みのもんた」さんらは、ミイラ取りがミイラになっている身の不徳を深く恥じるべきである。
◆ 内政がダメなら、外交もダメでは、もはや救いようがない。「仙菅ヤマトの沈没」が取りざたされるのは、当たり前である。菅首相は、「何もしなくても、とにかく総理大臣であればいい」とフテ腐れているそうである。「ただただ、美食を楽しめれば満足」というから、呆れ果ててしまう。国民生活がどうなろうと、いまや帝国主義丸出しの中国やロシアから領土を侵略されようと、知ったこっちゃないとサボタージュされたのでは、日々の生活に困窮している多くの国民は、たまったものではない。
◆国会は、ようやく補正予算案の審議に入るというけれど、補正予算程度で貴重な時間を空費させていたのであるから、本予算になってら一体どうするつもりなのか。11月中旬から12月20日ごろにかけて、平成23年度政府予算案作成に向けて、税制改正、予算編成、予算案内示、決定へとスケジュールがビッシリである。
昨年暮れの予算編成のときは、92兆円の必要予算に対して、約10兆円もの歳入不足に悩み、予算編成が年越しになるのではないかと心配された。だが、当時の小沢一郎幹事長が、大蔵事務次官経験者の斉藤次郎日本郵政社長、坂篤郎副社長(大蔵省OBで前内閣官房副長官補)、財務省の香川俊介官房長(当時、総括審議官=竹下内閣の小沢一郎官房副長官秘書官、斉藤次郎日本郵政社長の娘婿)の3人の協力を得て、いわゆる「埋蔵金」から、約10兆円をひねり出して、辛うじて92兆円の予算を組むことに成功していた。
◆菅直人首相、仙谷由人官房長官、野田佳彦財務相、岡田克也幹事長らが、こうした芸当をできなければ、平成23年度政府予算案を編成することはできない。となれば、政局は俄かに流動化していく。衆参ねじれのままでは、予算案成立も困難になり、野党自民党菅が内閣信任案を衆議院に提出する事態になれば、おそらくは小沢一郎元代表、これに同調する鳩山由紀夫前首相ら「反菅派」が、賛成に回る公算が大となる。可決成立すれば、菅首相は、総辞職か衆院解散総選挙かの二者択一に追い込まれる。サンデー毎日が掲載している「『仙菅』ヤマトが沈没する日 12月始動 小沢艦隊の潜行作戦」が、現実化してくるのである。