内部告発者に対する解雇や減給その他不利益な取り扱いを無効としたものである。保護されることとなる通報対象を約400の法律を規定する他、保護される要件が決められている。
労働法の一つとして位置づけられ、保護の対象となるのは、労働者のみである。通報対象事実は、同法別表にある7の法律のほか、政令にある約400の法律の違反行為のうち、犯罪とされているもの又は最終的に刑罰で強制されている法規制の違反行為(最初は監督官庁から勧告、命令などを受けるだけだが、それを無視していると刑罰が科されるもの)である。つまり、あらゆる法令違反行為が対象となっているわけではないし、倫理違反行為が対象となっているわけでもなく、刑罰で強制しなければならないような重大な法令違反行為に限られる。
通報先は以下の3つ。
- 事業者内部
- 監督官庁や警察・検察等の取締り当局
- その他外部(マスコミ・消費者団体等)
上記通報先によって、それぞれ保護されるための要件が異なる。これは、事業者内部への通報は企業イメージが下がるなどのおそれがまったくないことから虚偽の通報に伴う弊害が生じないのに対し、事業者外部への通報はそのような弊害が生じるおそれがあることから設けられた差異である。なお、3.の通報は要件が極めて厳しい。
ただし、同法施行前であっても、過去の裁判例では、通報者が労働関係上の不利益を被った場合に解雇が無効とされたり、損害賠償が認められるなど事例がかなり蓄積されてきており、同法で通報者が保護されない場合でも、判例で確立されてきた一般法理によって保護される可能性が十分にある。
しかし・・・解雇されるか否かにかかわらず職場には
もう彼の居場所はないだろう。