<研究結果1>
ニンニク摂取後の呼気を分析:「ニンニクの不快臭」は、食後16時間後も持続
「ニンニクの不快臭」の原因成分がアリルメチルスルフィド(以下AMS)であることは既に研究報告されています。そこで、ニンニクを食べた後に、AMSや他のニオイ成分がどう変化するのか、人の呼気を採取しガスクロマトグラフィーで分析しました。
生ニンニクを一定量(4g・小さじ一杯)加えたラーメンを食べ、直後から16時間経過後までニオイ成分を分析しました。その結果、ニンニクを食べた直後は呼気中から「香ばしいニンニク香り」の成分であるアリルメルカプタン(AM)が最も多く検出され、1時間後には急激に減少しました。一方、「ニンニクの不快臭」の本体であるAMSは食べた直後から食後16時間後まで検出され、官能評価においても、他人も自分もその不快臭を感じるほど臭うことがわかりました。
<研究結果2>
「ニンニクの不快臭」はどこで作られるのか:ニンニクの嫌なニオイは全身のあらゆる部位で発生
次に、ニンニクの嫌なニオイの本体であるAMSは、体のどの部位で作られるのかを確認するため、動物の組織を用いてAMSの発生状況について実験を行ないました。その結果、AMSは口腔粘膜や各種消化管に到るまで、全ての部位から発生し、中でも肝臓はAMSの産生能力が最も高いことが本研究で新たに判明しました。
つまりニンニクは、摂取直後に口腔粘膜でAMSに変化するだけでなく、その後消化器、肝臓等あらゆる部位でAMSに変化することが考察されました
<研究結果3>
「ニンニクの不快臭」発生メカニズム:ニンニクが体内の酵素によりAMSに変化
さらに、ニンニクが体内でどう代謝されて「ニンニクの不快臭」になるかを検討しました。上記の実験でAMSは肝臓で多く発生することから、肝臓での代謝を中心に研究を進めたところ、肝臓に多く存在するメチル基転移酵素が、生ニンニクの臭気成分であるジアリルジスルフィドをAMSに変化させることを初めて確認いたしました。また、このメチル基転移酵素は全身に存在することから、ニンニク成分はあらゆる部位でメチル基転移酵素により代謝されることにより、AMSが発生することが裏付けられました。
<考察>
以上の結果から、ニンニクは食後、口腔内で“嫌なニオイ”に変化するだけでなく、消化・吸収される各段階でからだの各部位に存在する体内酵素(メチル基転移酵素)によって代謝され、「ニンニクの不快臭(AMS)」となり呼気から排出されることが新たに確認されました。
また、「ニンニクの不快臭(AMS)」は食後16時間以上も続くことが確認されました。