▼勝てないのに北を挑発する韓国の愚
戦争になると、独裁下にいる北朝鮮国民は戦争で団結しうるが、自由社会の韓国は大混乱に陥る。北より韓国の方がずっと豊かなだけに、戦争になった場合の経済的な破壊は、韓国の方がはるかに大きい。現実的に考えて、北を挑発する軍事演習は、韓国にとって損につながる。韓国政府の軍事戦略の担当者は、「今の韓国軍では北朝鮮と戦って国家と国民を守ることができない」と指摘している。韓国軍は、米国に頼らない軍事戦略を持ち、指揮系統などを大幅改善することが必要だという。韓国軍は、北と戦って勝てないのに、北を挑発している。とても危うい。
北朝鮮は大した兵器を持っていないという楽観論は、11月末の延坪島への北の砲撃で吹き飛んだ。北は170発の砲弾を撃ったが、そのほとんどが標的に当たっていた。北が狙ったのはすべて韓国側の軍事施設だった。北が持っていた延坪島の地図が古かったので、以前は軍の施設だった建物が民家に変わっていたため、民間人に死者が出たのであって、北の砲弾自体は狙ったところに当たっていた(この話は韓国の人に聞いた話なので参考記事のリンクはない)。韓国軍が使うGPSなどを、北朝鮮側が撹乱できることも初めてわかった。北と中露の貿易は自由で、米韓の監視外だから、北はある程度の兵器を手に入れられる。
韓国が、北と戦争できないのに、北との戦争を誘発する軍事演習を繰り返すのは、米国が煽っているからだろう。今回、延坪島沖で行われる韓国軍の軍事演習にも、21人の米軍トレーナーらが参加する。尖閣諸島での日中対立も、対米従属至上主義である日本側(前原外相とか)は、米国の後押しがなければ挙行しなかったと考えられるが、同様に韓国も、米国側からどんどんやれと言わなければ、北を挑発する軍事演習などしないだろう。今年3月の天安艦事件以来、韓国の対北強硬姿勢の裏に、米国の影が見え隠れしている
朝鮮戦争再発のカギは、米国が握っている。米政府は「韓国の軍事演習は、北にとって脅威でないはずだ」と言っているが、そんなことはないことは、米当局がいちばんよく知っているはずだ。米国の投資家が韓国に多額の投資をしているので、韓国経済を破綻させる朝鮮戦争の再発まではいかず、米国は寸止めするだろうという考え方もある。半面、1950年の朝鮮戦争の前後の経緯と似たものが繰り返され、米国と中露の和解や、世界の覇権構造の多極化の流れを逆流させるため、軍産複合体からの反撃として、あえてソウルを火の海にする朝鮮再戦争が勃発され、米国と中露の関係を決定的に悪化させ、対立に転化させる動きになる可能性もある