明治維新が何なのか?王政復古は近代化と矛盾しないか?
という質問なのだろうか?
まず、近代国家には「権力」が不可欠である。
国民全てが、国家が発する法律に従わなければ意味がない。
国家の徴税制度に従わなければならない。
だけど、注意しなければならないのは、近代国家の権力と、
前近代の権力が同じではないことだ。
これは言葉(単語)の不備からくる誤解だろう。
現在は「権力」という単語しか用意されていないのが問題だ。
Anthony Giddensは、前近代の権力を「支配」、近代国家の権力を
「統治」と呼んで区別しているが、ややこしい。
近代国家では、国民の生命・財産が保証されなければならない。
国民の土地、財産、そういったものが保障されなければならない。
そのために、近代国家は、国民1人1人、国土の隅々まで正確に
「管理」できなければならない。
一方、前近代の社会では、近代国家より支配者が民衆の土地や財産を
容易にコントロールし易い状態にあった。
古代国家の権力者は、簡単に国民の土地・財産・生命を奪う事は、
近代国家よりずっと簡単であった。
(しかし、前近代の支配者は、近代政府より「管理する能力」が
大幅に劣っていた)
明治維新によって天皇が頂点に君臨しても、天皇には国民の土地や
財産を動かす力が無い。
当然、天皇は前近代の権力を全く持っていないのが明らかである。
従って、明治維新は、大商人や農民地主層などによって、古い幕府や
大名権力が追い払われたものであり、天皇が幕府に変わり、旧来的な
支配者として君臨したのではないのが明らかである。