画像が無茶苦茶だwww
■ 偏光方式の3D立体視が前後と上下に弱いわけ
偏光方式の3D立体視は「視野角が広い」、「視聴範囲が広い」という長所があることは上で述べたが、実は「広い」のは横方向にだけで、上下方向や前後方向にはそれなりの制限がある。
これは、偏光方式の3D立体視の光学的な設計に起因するものだ。より具体的に言えば、液晶パネルに貼り付けることになる偏光フィルムが関係している。
そもそも偏光方式の3D立体視では、液晶パネルの各ラインからの出力光が、偏光フィルタを通って視聴者の目に届く構造となっている。
この構造の設計は、映像表示面から、ある距離だけ離れた位置の視聴者を想定して行なわれる。具体的には、その想定位置にいる視聴者の目の視界の広がりに配慮し、ちゃんと視線が偏光フィルタを通って目的の画素に到達するように偏光フィルタのピッチや配置を設計し、その偏光フィルムを高精度に液晶パネルと貼り合わせる。
単純に液晶画素の直上に偏光フィルタが来ればいい、というものでもないのだ。
偏光方式の3D立体視における、液晶画素と偏光フィルム上の偏光フィルタ、そして視聴者の視線の位置関係を表した模式図右図は、偏光フィルムメーカーの有沢製作所の資料の引用で、液晶画素と偏光フィルム上の偏光フィルタ、そして視聴者の視線の位置関係を模式図化したものになる(側面からの図解)。
この図を見ると、映像表示面の中央に相対する箇所は、偏光フィルタは液晶画素の直上にあるが、表示面外周に行くに従って液晶画素と偏光フィルタの位置関係が直上からズレていく様が見取れるはずだ。模式図なのでやや極端だが、実際も、偏光方式の3Dテレビは、このような設計になっている。
もし、この図で視聴者が映像表示面に近づいたらどうなるだろうか。
視界の角度は広がることになり、表示面外周に行けば行くほど、液晶画素と偏光フィルタの位置が、想定設計状態からずれていってしまう。
これは本来通るべきではない隣接する反対側の目用の偏光フィルタを通った液晶画素の光を見てしまうことを意味する。つまりクロストークの発生に直結する。映像表示面から離れていった場合も想定設計状態からずれることになるので同様だ。
これに対し、視聴者が左右にずれる場合はさほど問題はない。というのも、たとえ視線が横にずれても、同一の特性の偏光フィルタが横方向に展開して貼り付けられているわけだから、各画素からの出力光が、逆の偏光方向になってしまうことは起こりえない。
これが理解できれば、この図において、視聴者が上下に移動した場合でも、問題が発生することが想像できるだろう。視聴者の位置が下がった場合は、液晶画素からの光は、想定されて割り当てられた偏光フィルタではなく、1つ下の偏光フィルタを通りやすくなる。そう、逆の偏光方向を生み出す偏光フィルタを通ってしまいクロストークが出やすくなるのだ。
なので、偏光方式の3Dテレビは、床に寝そべりながら見上げるようにしてみるスタイルには適さないということになる。また、偏光方式の3Dテレビで、もしクロストークを感じた場合には、テレビ位置を上下に移動させるか、あるいは距離を前後に調整することで改善する場合があることも覚えておきたい。