U―17アジア杯決勝、日本と韓国には大きな差あった 「反則してでも止める」は時代遅れになりつつある【大塚浩雄のC級蹴球講座】(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース
日本が韓国に3―0で完勝し、2大会連続4度目の優勝を果たした。宿敵との決勝。各年代でしのぎを削ってきた日本と韓国だが、この日の両チームの戦いぶりには、大きな差があった。正しい守り方をしていたか、していなかったか。
勝負の分かれ目となったのは前半44分、韓国のセンターバック、コ・ジョンヒョンのおかしたファウルだ。浮き球をコントロールしたFW道脇に対し、遅れてチャージして突き倒してしまった。このファウルで、コはこの試合2度目の警告を受け、退場処分。アディショナルタイムにこの直接FKを名和田が鮮やかに決め、日本が先制した。
後半になると日本は数的優位の状況を存分に生かし、しっかりとポゼッションしながらチャンスを作り、名和田と道脇が2点を加えた。
前半、韓国のファウルは6つ。驚いたことに、日本はファウル0で韓国の攻めをしのぎ切った。センターバックの本多を筆頭に、日本の選手はフィジカルコンタクトが強く、球際の強さでも韓国を上回っていた。スピード、状況判断、体の使い方。反則しないでもしっかりとボールを奪う技術と戦術は、韓国にない素晴らしさだった。
ところが、後半に入るとファウルの数が逆転した。韓国が3、日本は9。これには理由がある。1人多い日本は自陣でボールを回す韓国の選手に対して、積極的にボールを奪いにいった。インターセプトを狙い、2人、3人で追い込んでボールを奪い取る。ファウルのほとんどはハーフウエーライン付近か、相手陣内の深い位置。守りではなく、ボールを奪って速攻を仕掛ける積極性ゆえにおかしてしまったファウルだ。
かつての日本はどの年代でも韓国の強烈なフィジカルコンタクトとスピードに圧倒され、苦杯をなめ続けてきた。しかし、近年はどの年代でも韓国のスピード、フィジカルコンタクトを上回っている。育成年代からのトレーニングと食事などの栄養面の改善で、強靱(きょうじん)な肉体と体幹の強さを積み上げ、欧州やアフリカの選手が相手でも互角のコンタクトプレーができるようになった。
加えてフェアプレーの精神を重んじ、反則しないで守る、ボールを奪うサッカーが浸透。かつての「反則してでも止める」サッカーから「反則しないで守り切る」サッカーが当たり前になりつつある。
今大会のU―17日本代表は本当にたくましい。11月にインドネシアで開催されるU―17W杯でも旋風を巻き起こしてくれることを期待したい。