家計が揺らいでいる。物価が急騰し、金利も上昇する兆しを見せている上、ローンで購入した住宅価値は下がる一方だ。最近は赤字の家計簿を見て、眠れなくなる世帯主が増えている。
小学校3年生と4歳の息子を育てるKさん(41)夫婦は先月の家計簿が赤字だった。妻が専業主婦のKさんは、大企業に勤め、月約500万ウォン(約37万円)の収入がある。それでも子供の塾費用で月100万ウォン(約7万4000円)、マンションの管理費に月30万ウォン(約2万2000円)、年金積み立て20万ウォン(約1万5000円)など固定費用がかさみ、月給は消えてしまう。その上、2年前に年4%台前半の金利で借りた2億500万ウォン(約1530万円)の住宅ローンの金利は年5%台に上昇した。1カ月の金利負担は約70万ウォン(約5万2000円)から90万ウォン(約6万7000円)へと増えた。
Kさんは「最近生活費がギリギリだと思っていたが、先月子供の誕生日が相次ぎ、外食を数回したら、結局赤字になった。住宅価値はそのままなのに金利は上がりそうで心配が尽きない」と話した。
■負債も急増
年初来、消費者物価上昇率が4%台となり、赤字世帯が急増している。統計庁は27日、第1四半期(1-3月)の赤字世帯比率が30.5%となり、2006年第1四半期(同率)以来の高水準を記録したと発表した。赤字世帯とは支出が所得を上回る世帯を指す。赤字世帯が当座貸越を利用したため、銀行の当座貸越残高の増加幅は今年4月の2000億ウォン(約149億円)から5月は1兆9000億ウォン(約1420億円)へと拡大した。
第1四半期の1世帯当たり黒字額は68万2000ウォン(約5万1000円)で、世界的な金融危機のさなかにあった09年第1四半期(68万9000ウォン=約5万1500円)を下回った。その間に1世帯当たりの平均月収は347万2000ウォン(約25万9000円)から385万8000ウォン(約28万8000円)に増えており、所得が増えても、余裕資金は減少したことになる。
その上、1世帯当たりの負債は、今年3月末現在4611万ウォン(約344万円)で、前年同月の4309万ウォン(約321万円)に比べ7%増えた。
LG経済研究院のイ・グンテ研究委員は「銀行だけでなく、ノンバンクが家庭向け融資を増やしているが、家庭がローンを返済できるほど所得が安定的に増えるかどうかは不透明で、不安感が高まっている」と指摘した。
■金利負担増大に食料品も値上がり
1世帯当たりの金利負担は今年第1四半期に月平均8万1300ウォン(約6100円)となり、前年同期の7万2700ウォン(約5400円)に比べ、11.7%も増加した。
貸出金利は昨年下半期から上昇を示している。韓国銀行は昨年7月以降、5回にわたり基準金利を計1.25%引き上げた。年内にさらに1-2回の利上げが実施されると見込まれており、世帯主の不安は増す一方だ。
変動金利の基準となる譲渡性預金証書(CD)の金利も27日に年初来最高の年3.56%まで上昇した。
銀行の変動金利はCD金利に2-3%が上乗せされている。このため、変動金利ローンの利用者が負担する金利は年5.6-6.6%となる。世界的な金融危機以前の08年半ば、担保付き住宅ローン金利が年7%台まで上昇した記録に迫っている。
漢陽大のハ・ジュンギョン教授は「所得が伸びない状況で、担保付き住宅ローンの金利が7%を超えれば、金利負担で赤字世帯が増える可能性が高い」と予測した。
物価上昇も家計を圧迫している。石油価格の上昇で、第1四半期の家計の月平均交通費は27万8700ウォン(約2万1000円)となり、1年前より11.5%増えた。食費は月平均32万2900ウォン(約2万4000円)で、同じ期間に8.4%増えた。普通は所得が増えれば、エンゲル係数(消費に占める食費の割合)は低下する傾向があるが、食料品が高騰したため、第1四半期の同係数は13.2%となり、1年前の12.7%より上昇した。
現代経済研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)経済研究本部長は「低所得層は福祉政策による支援が可能なので、中産階級を支援し、安心させる必要がある。そのためには、内需、サービス業の活性化で良い働き口を提供する政策に力を入れるべきだ」と指摘した。