燃えたテスラ車、ロス山火事で被災地復興の妨げに-リチウムに有害物質

米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊に壊滅的な被害をもたらしている山火事では、焼けてしまった電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、家庭用蓄電池の残がいが被災地復興の取り組みを難しくしている。
テスラや他の自動車メーカーのリチウムイオン電池は火災後、専門的な除去を必要とする有害物質となって残るため、被災者の帰還を遅らせる要因となっている。
甚大な被害を受けたパシフィックパリセーズ地区選出の州議会議員、ジャッキー・アーウィン氏は「避難区域の車の多くはリチウム電池搭載車だった」と説明。「そうしたリチウム電池はかなり長い間、家屋の近くで燃えていたと消防士から聞いている」と語った。
1月7日に発生したロサンゼルスの山火事は、これまでに少なくとも27人の命を奪い、建物などの被害は数千棟に及ぶ。被害の拡大をもたらした乾燥した風は弱まると予想されているが、雨は降らず、来週には再び強風が吹く恐れもあるため、当局者らは危険はまだ去っていないとみている。
同山火事の経済的コストは増え続けており、保険業界の総損失は最大400億ドル(約6兆2500億円)に上る見通しだ。米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、被災地復興には10年かかる可能性があると警告。米連邦緊急事態管理局(FEMA)はすでに、被災地の浄化作業に1億ドルを充てている。
S&Pグローバル・モビリティーのデータによると、ロサンゼルス地域でのテスラ車の数は2024年10月時点で43万1000台余り。カリフォルニア州新車ディーラー協会(CNCDA)によれば、テスラ「モデルY」は昨年9月までで同州で最も売れた車種となっていた。
大きな被害が出たパリセーズとイートン両地区の一部では16日、避難指示を受けていた住民が自宅に戻ることを許された。ただ現地当局者は焼失地域への立ち入りを認められた住民に対し、鉛や水銀、その他の化学物質など有毒物質を含む恐れのあるがれきを片付けようとしないよう注意喚起している
