防衛省は8月29日、過去最大の8兆8454億円に及ぶ2026年度防衛予算の概算要求を発表した。このうち、海上自衛隊のもがみ型護衛艦の能力向上型となる「新型FFM」については、1隻分のみの建造費1048億円を予算要求した。
新型FFMをめぐっては、防衛省は2024年度から2028年度までの5年間で計12隻の予算を確保し、建造に当たる計画だ。そして、実際に2024年度予算では最初の2隻の建造に1740億円、2025年度予算ではその次の3隻の建造に3148億円がそれぞれ計上された。つまり、わずか2年間で12隻のうち5隻分の予算を確保した。
ところが、2026年度予算では、この調達ペースをぐっと落とし、わずか1隻の建造費を要求した。
これはどういうことか。
豪海軍の次期汎用フリゲートの導入計画を巡り、豪政府が8月初めに新型FFMを選定したことが影響したとみられる。海軍力の強化を急ぐオーストラリアへの納期を最大限に考慮し、三菱重工業長崎造船所の最も期近なスロット(船台)をオーストラリア向けに優先的に割り当てたのではないかと考えられる。
実際に今年1月に自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長(当時)は豪公共放送ABCが報じたインタビューの中で、豪州が新型FFMの導入を決定した場合、海自の配備計画を延期して、「豪州への引き渡しを最優先する」と表明していた。
そして、豪ABCは「日本が新型FFMの3隻目を2029年に豪海軍に納入することを保証している」とも報じていた。

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