(朝鮮日報日本語版) 【社説】日本は科学分野のノーベル賞16人、韓国は…
朝鮮日報日本語版 10月10日(水)10時56分配信
2012年のノーベル生理学・医学賞受賞者に、英国ケンブリッジ大学のジョン・B・ガードン教授と京都大学の山中伸弥教授が選ばれた。ガードン教授は1962年にカエルのクローンに成功して動物クローン研究の道を開き、山中教授は2006年、遺伝子を使うことで成人の細胞を生命体の初期段階の幹細胞にして病気の治療に生かす道を開いた。山中教授の受賞により日本のノーベル賞受賞者は19人に増えた。そのうち平和賞1人と文学賞2人を除く16人が物理、化学、生理学・医学など自然科学分野での受賞だ。
1949年に湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を受賞して科学ブームが巻き起きると、日本は理化学研究所をはじめとする基礎科学研究機関への支援を集中的に増やした。日本政府は経済的にどんなに苦しくても研究・開発予算を国内総生産(GDP)の2%以下にしない「2%原則」を守っている。そのうち60-70%は応用技術ではなく、必ず基礎科学分野に割り当てられる。2000年以降だけで日本人科学者11人がノーベル賞を受賞しているのは、長年の努力と投資が数十年という熟成期間を経て実を結んだものだ。
韓国でも民間・公共部門を合わせた総研究・開発費は45兆ウォン(約3兆2000億円)で世界第7位だ。政府支援の研究・開発事業額も16兆ウォン(約1兆1300億円)で、GDPに占める割合はイスラエルやフィンランドに次いで世界第3位。しかし、韓国の研究・開発投資の3分の2は応用技術開発に集中している。研究者が研究費支援を受け続けるためには、短期間に成果を挙げられるテーマにかかりきりになる。政府が発注した研究課題の成功率が98%というとんでもない数字になるのは、こうした研究費支援方式が原因だ。
下村脩ボストン大学名誉教授は1961年に論文を発表してから47年後の2008年にノーベル化学賞を受賞したが、同教授や研究員らが研究のためにこれまで採集したクラゲは300トンを上回るという。そうした長い道のりを辛抱強く見守り支える風土がなければノーベル賞受賞を期待するのは難しい。
韓国の若い理工系人材を基礎科学界にとどめておくには、冒険と挑戦、失敗を繰り返してもいいという研究風土を新たにつくっていくべきだろう。
08年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎シカゴ大学教授は「物理学の面白さはパズルのような謎を解く楽しさ。小学校の理科の時間が一番興味深かった」と話したという。優秀な子どもたちが理科の時間を通じて科学のこうした魅力に気付き、夢中になれるよう、韓国の科学教育システムをどう改善すべきか考えなければならない。

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