吹田市、入札せず発注 市長後援企業に
大阪府吹田市が3月、国の「グリーンニューディール基金」を活用して庁舎に太陽光パネルを設置する工事について、入札を実施せずに井上哲也市長の 後援企業に約2250万円で発注していたことがわかった。特定の1社を指名する「単独随意契約」だったが、市は国に「競争入札」と虚偽報告をしていた。
井上市長は地域政党・大阪維新の会顧問。31日午前、市役所で緊急記者会見を開き、「この企業との契約を指示したことはない」と主張。国への虚偽報告については「聞いていなかった。複数の企業で入札すべきだった」とし、関係者の処分を検討する意向を示した。
井上市長によると、工事を受注した同市内の電気工事会社は1996~2008年、井上市長が当時代表だった自民党支部に計222万円を寄付。同社社長は今年から井上市長の後援会副会長を務めている。
同基金は、温暖化対策を進める環境省の補助金事業で、市は10、11年度に5854万円の交付を受けた。民間施設の省エネルギー改修工事への助成や市庁舎の設備改修など計12事業に活用したが、今年2月時点で約2500万円余った。
3月末までに使い切れない基金は国に返還するルールになっており、市は2月10日、庁舎への太陽光パネル設置を決定。市の規則では130万円以上の工事を実施する場合、入札を義務づけているが、「手続きの時間がない」として、3月5日、この会社と単独随意契約を結んだ。
市は6月、国に「競争入札」と虚偽報告したが、その後、市議会から指摘を受け、今月25日になって「誤りがあった」と国に報告書の訂正を連絡したという。
井上市長は「実績ある企業だから不信感なく、(単独随意契約の)決裁をした。後援者だからと言って企業活動を阻止はできない」と強調。電気工事会社の社長は「仕事を下さいと言ったことはない。市長を支援していることと工事の契約は一切関係ない」と語った。
環境省は「事実関係を確認中だが、不適切な契約があれば、基金の返還も含めて検討する」としている。
(2012年10月31日 読売新聞)